コロナ便秘は食べて解消!腸を整える「調味料」は料理下手でも必ず味がキマる

中村 曜子 中村 曜子

 ステイホームや在宅勤務が日常になってからというもの「コロナ太り」「コロナ便秘」などの言葉を目にするようになりました。一方で飽食の時代なのに「隠れ栄養失調」が増えていると内科医でメディカルフード研究家の関由佳さんは指摘します。

 「隠れ栄養失調とは、食事はきちんと取っているに、肝心の栄養素を十分に吸収できないため、必要量に満たない状態のことです。太っていても、隠れ栄養失調を起こしている人はたくさんいます」

 隠れ栄養失調の主な原因は「腸の栄養吸収力の低下」とのこと。腸内環境が悪いため、いくらよいものを食べても、栄養素が十分に取り込めない体になっていると言います。

 隠れ栄養失調を改善させるには、腸内環境を整えるのが一番の近道だそう。そこで、わたしがお勧めするのが「みそ」や「塩麴」など、麹を使った発酵調味料を日々の食事に役立てることです。

 麹のもたらすメリットは
(1)食物の栄養素を消化吸収しやすくする
(2)腸内環境を整える善玉菌を増やす
(3)料理そのものがおいしくなる、の3点。

 みそソムリエでもある関医師は「麹菌には、発酵する過程で栄養素を吸収しやすい形に分解したり、新たな栄養素を産生したりする作用があります。また麹菌がつくる環境下では、乳酸菌や酵母などの善玉菌が繁殖しやすくなります」と解説し「毎日食べ続けるには何よりも、おいしいことが重要。麹菌によって、うま味成分が豊富になるため、野菜、肉、魚など、食材を問わず味がおいしくなります」と話しています。

 麹を使った発酵食品といえば、みそ、塩麴、甘酒などがあります。みそはもちろんのこと、塩麴や甘酒もブームになったおかげで、いまでは365日スーパーで手軽に購入できます。塩麴は塩の代わりに、甘酒は砂糖の代わりに使えば、旨味もヘルシー度も急上昇すると期待できます。

 神戸で人気の料理教室を主宰している料理研究家の福岡利加さんは「塩麴や甘酒を使えば、簡単においしい料理が作れると知って感動しました」と言います。難しい技術はいっさい不要で「使うだけでおいしい料理になるところがすごいところ。例えば、肉を塩麴に半日~1日ほど漬けてから焼けば、軟らかくジューシーに仕上がります。うま味が加わるので、コンソメや顆粒だしも不要になります」

 福岡さんは家族が「おいしい」と喜んで食べてくれる姿に励まされ、毎日のように塩麴や甘酒を料理に使っていたところ、子どもの頃から重症だった便秘がすっかり治ったと言います。加えて冷え症や乾燥肌、太りやすい体質もすっかり改善したそうです。

 腸内環境を整えることが免疫力アップにもつながることは今の研究で判明しています。コロナに負けない体をつくり、便秘を解消し、なおかつ、毎日の食事をおいしくする塩麴、甘酒、みそを活用してみてはいかがでしょうか。

 そういうわたしは、ここ数年、塩麴のことをすっかり忘れていましたが、久しぶりに作ってみました。さっそく保存袋に5切れのシャケを入れ、塩麴を大さじ3杯、甘酒を大さじ1杯入れて冷蔵庫へ。翌朝、食べようと思っていたものの、シャケの存在をうっかり忘れて3日ほど放置してしまいました。そして4日目、軽く塩麴を拭き取ってから焼いたところ、これが「料亭のお味!?」と思うほどおいしかったのです。家族も大満足。みなさんも、ぜひ麹生活にトライしてみてください。いろいろといいことがありますよ。

 発売中の『安心』10月号では、みそや塩麴、甘酒を使った超簡単に作れるレシピも紹介しています。よかったら書店でご覧になってください。

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