気分はスパイダーマン!? レジで手間取る、マイバッグの取り出し→「かっこいい!」…最新アイテムが話題

宮崎 優子 宮崎 優子

7月1日からレジ袋の有料化が始まりましたね。それに伴いマイバッグを携帯するようになった人も多いかと思いますが、コンビニなどで買い物をした時にマイバッグを取り出すのに手間取ってしまい、レジであたふたしてしまったなんて経験はありませんか?

現役大学院生デザイナーのTsukasa-3Dさん(@Tsukasa_3D)がそんなお悩みを解消する画期的なマイバッグ射出メカ「Sack-Shooter(サック・シューター)」を開発。腕時計のように手首に装着し、少し飛び出たリングに指をかけて引くと、まるであのアメコミヒーローさながらレジ袋が手のひらから勢いよく射出され、超クールに袋が取り出せるという、斬新なアイテムになっています。

そんなサックシューターのPV動画をツイッターにアップしたところ、「これ面白い!意味もなく袋を出して遊んでしまいそう」「これレジ前でやられた店員の顔が見てみたい」「ほしい(笑)」「おお!すぱいだーまん!かっちょいい!」といったコメントと共に2.5万いいねが付き大きな話題となりました。画期的なアイテムを開発したTsukasa-3Dさんに聞きました。

──サックシューターを作ろうと思ったきっかけは?

最近レジ袋が有料化されたことで、レジ袋を再利用する機会が増えましたが、会計前に袋を取り出すのによく手間取ってしまって…。そんな経験から、袋を身に着けていつでも素早く取り出せる装置があればいいのにと思ったのがきっかけです。

ちなみに、開発するなかで単に便利なアイテムを作るのではなく、もっとワクワクするような、身に着けるのが楽しくなるようなギミックを備えたものを作ろうと考え、「Sack-Shooter」が誕生しました。

──袋を取り出すときの動作ってどう見てもあのアメコミヒーローですよね(笑)。開発する時、意識されていたのですか?

実は当初は全く意識しておらず、最初はレジ袋を素早く展開することのみを考えて開発をスタートしました。
ですが様々な仕組みをテストするうちに、スパイダーマンがストーリーのなかで使用するクモ糸を発射するアイテム「ウェブ・シューター」に似てるぞと思い、カラーリングやPVでの使用方法で意識してみました(笑)。

──そうだったんですね。てっきりスパイダーマンありきかと思っていました(笑)。

もちろん遊び心も大事ですが、ロマンや所有する喜びをより一層高めるために、機能性も考慮しました。たとえばこの射出する仕組みですが、確実に袋が取り出せるよう、ゴム動力を使ってケースが180度回転し、遠心力で射出する仕組みを採用しました。

また引き金となるリングは2段階に伸縮することで、意図しない暴発を防ぐようになっています。さらに折りたたんだ袋を束ねるためのクリップもデザインし、袋の装着・リロードが素早く簡単にできる心地よい操作感を目指しました。

──すごい…。この小さなメカのなかにそこまで工夫が詰め込まれているんですね。ちなみに輪ゴム以外は家庭用の3Dプリンターで作られたそうですね。

はい、以前から3D CADや3Dプリンタを使った最新ものづくりの魅力やノウハウを伝えたいと思い作品のPVをYouTubeに動画投稿していましたが、サック・シューターもそのひとつです。3Dプリンタの可能性を伝えられるように、ネジや接着剤を使用せずに組み立てられるような設計にしました。 輪ゴムと袋以外は全て3Dプリンタで製作できます。

──なるほど。ということは、データさえあれば私にも作れますか?

はい、TPUとPLAという材料に対応した機種であればだれでも作ることが可能ですよ。

──今後、サック・シューターを商品化する予定はありますか?

もともと3D CAD 、3Dプリンタを使ったものづくりの魅力を伝えるという意味合いが大きい作品だったので、製品化の予定はありませんでした。その一方で今回の投稿でとても多くの方々からご好評をいただき、購入を希望される方もいらっしゃるので、今後3Dデータのダウンロード販売を検討しています。ですが、3Dプリンタユーザーはまだまだ少ないのが現状です。もし完成品の商品化を希望される企業様がいらっしゃれば、共同開発できたらいいなとも思っています。

──現役大学院生デザイナーとのことですが、普段からこういったアイデアグッズを開発されているのですか?

大学院生としては大学の医学部と共同で手術器具を開発する研究などをしています。デザイナーとしては企業の家電製品、IOTデバイスのデザインや試作品の設計・製作までをおこなっています。その傍らで、3Dプリンタを使ったものづくりの魅力を発信する活動をしています。

──ツイッターで話題になりましたね。

多くの方々に作品を見ていただき嬉しく思っています。3D CAD、3Dプリンタを使ったものづくりはまだまだなじみが薄いですが、これをきっかけに少しでもこの魅力が伝わればと思います。また僕自身、これからもみなさんをアッと言わせるような面白い作品を作っていきたいです。

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