手術をあきらめた子猫 余命わずか覚悟も獣医師が「化け猫」と驚いた奇跡の回復、今は2度目を期待

木村 遼 木村 遼

 「ワクチンを打ちに来たということは元気になったということですか?」

 今までの経緯を説明すると、ただただ「凄いですね」と驚き、続けて「我々の間では、こういった稀に奇跡を起こす子を、化け猫と言っているんです」と笑いながら言った。リヴは医師の予想を覆した奇跡の化け猫だったのだ。

 その後、里親を探すか迷ったが、いつ状態が悪くなるか分からないこともあり、自宅の猫として私達の家族になってもらった。

  ◇  ◇
 現在、保護してからちょうど2年になる。先日、いつも顔の横で引っ付いて寝るリヴが1匹で寝ており、違和感を持って熱を測ると微熱があった。食欲も少し減り、病院へ連れて行って処置とレントゲンを撮ってもらった。体の成長と共に更に肺が圧迫されており、レントゲンを見た先生の見解では「回復は難しい」ということだった。

 これまであまりにもリヴが元気であったため、私たち夫婦は彼が天寿を全うすると思い込んでいた。今は熱も収まり、食欲以外は以前と変わらない元気な姿に戻ったが、予断を許さない状態は続いている。食については、総合栄養食ではないものの1種類だけ食べてくれるフードが見つかり、毎日小分けにして与えている。

 私達はリヴの2度目の奇跡を信じている。

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