管理栄養士に聞いた 食事でコロナに負けない免疫力の高め方

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免疫力を向上させる栄養素、食材、調理法など

免疫力に関係している栄養素は、たんぱく質、ミネラル、ビタミン、食物繊維、乳酸菌などがあります。しかし、先に書いたように、この食品を食べていれば、この栄養素をとっていれば感染症にならない、病気にならないというものは残念ながらありません。栄養バランスのとれた食事をとることで、免疫力に関係する栄養素などの摂取に繋がります。

また、国連食糧農業機構(FAO:Food and Agriculture Organization of the United Nations )が公表した「COVID-19パンデミック期に健康的な食生活を維持する方法:Maintaining a healthy diet during the COVID-19 pandemic」にも、重要な栄養素を摂取するために、様々な食品を摂取しましょうという記載があります。http://www.fao.org/3/ca8380en/CA8380EN.pdf

このように免疫力を高めるには、栄養バランスのとれた食事をとることが基本となりますが、免疫力を最大限に発揮するための食事のポイントをご紹介します。

①たんぱく質をとる
たんぱく質は筋肉や臓器などを構成するだけでなく、免疫細胞の主要な成分です。たんぱく質が不足すると免疫細胞が減少し、免疫力の低下につながります。
魚、肉、卵、大豆・大豆製品などたんぱく質を豊富に含む食事を偏りなく適量とることが大切です。(目安:1回の食事で手のひらの大きさ)

②ミネラルやビタミンをとる
ミネラルやビタミンは、疲労回復や体調を整える働きがあります。なかでも、亜鉛やセレンなどのミネラル、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどのビタミンは、細胞を傷つける「活性酸素」の働きを抑え、免疫細胞を守る働きがあります。ビタミンAには、鼻や喉の粘膜を強くする働きもあります。
ですから、ミネラルやビタミンが豊富に含まれている野菜や果物を積極的に摂取しましょう。野菜は、葉物類(レタス、ほうれん草など)と根菜類(にんじん、だいこんなど)、緑黄色野菜(ブロッコリー、かぼちゃなど)とその他の野菜(キャベツ、もやしなど)などから偏りなく摂取しましょう。(目安: 野菜は1回の食事で両手に山盛り1杯、果物は1日で人差し指と親指の輪の中に入る大きさ)

③食物繊維をとる
食物繊維は、腸の動きを活発にし、便通をよくしてくれる働きがあります。また、腸内の善玉菌を優位にし、腸内環境を整えてくれます。腸内環境を整えることで、免疫細胞も活性化され免疫力を高めてくれます。
食物繊維は、豆類やきのこ類、海藻類、野菜や果物に多く含まれています。

④発酵食品をとる
腸は、全身の免疫システムの重要拠点です。納豆、ヨーグルト、キムチ、味噌などの発酵食品は食物繊維同様、腸内の善玉菌を効率的に増やし、腸内環境を良好に保ち、免疫力の低下を防ぎます。

⑤体を温めるものをとる
体を温め、血流をよくすると免疫細胞が全身に行き渡り活発に活動してくれます。体温が1℃下がると、免疫力が30%下がると言われています。これから暑い季節になりますが、極端に冷たすぎる飲み物や冷たい食べ物のとりすぎに注意しましょう。生姜、にんにく、ねぎ類、とうがらしなどには体温を上げてくれる成分が含まれています。

⑥定期的に水分をとる
常に外気と触れ合っている鼻と喉は、細菌やウイルスが侵入してこないように粘膜でおおわれています。しかし、体内の水分量が減ると粘膜が乾燥しウイルスが侵入しやすくなります。また、水分量が不足すると血流が悪くなり、免疫システムも低下します。こまめに水分補給をしましょう。(目安:1日にコップ6~8杯)

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免疫力を高める確実な方法は「バランスのよい食事と規則正しい生活」につきます。

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