新型コロナ特措法に基づく緊急事態宣言が全国に発出され「ステイホーム」で迎えたGW、せめて家でお菓子作りを楽しもうという人も多いのか、ホットケーキミックス(HM)やバターなどが品薄になる店も出ています。元々、菓子パンのように毎日大量に売れるものではないこともあり「瞬間風速的な現象」(メーカー)とみられますが、高値で転売される例も。そんな中、SNS上にはHMなしでも作れる代替レシピが続々登場しています。
関西地方のあるスーパーでも3月下旬からHMが品薄状態になり、最近では高値の品まで売り切れ1組1個までの制限付きに。HMといえばベーキングパウダーも砂糖もバターも入っていて、ホットケーキ(パンケーキ)はもちろん、お菓子作り初心者や子どもでも簡単にケーキやマフィン、クレープにクッキー、アメリカンドッグ…と数多くのお菓子が作れる“神”的存在。店員は「保育園や学童の保育縮小で、家で子どもと過ごす人が増え『せっかくなら市販のおやつより作るところから楽しもう』という人が増えたのでは」と推測します。
メーカーにも店舗からの注文が多く寄せられており、その一つ、日清製粉(東京都)によれば「商品によりますが前年同時期に比べ数10%増というところ」とも。ただ、「それでも枯渇するレベルではありません。生活必需品に比べ配送の優先度は低く、入荷のタイミングもあるのでは」とも。「とはいえ、ご注文にお答えするため、今も工場は休みなしでフル稼働で生産をしているので、ご安心頂けたら」と話します。
日持ちすることもあり、品薄の焦りが買い占めを呼ぶ…トイレットペーパーが売り切れたときと同様の構造のようですが、フリマサイトなどでは高額で転売するユーザーも。
そんな中、ツイッターなどにはHMを使わず作れるお菓子レシピも続々と。漫画家の新國みなみ(@nikkuni373)さんが今月26日にツイートしたのは、メアリー・ポピンズに出てくる「クランペット」。小麦粉と牛乳、砂糖、塩、ドライイーストを使って作る、パンケーキに似たイギリスのパンです。朝なかなか起きない子どもに「クランペット売りが来ていますよ」というだけで目覚めさせたというその味に、「原作見て作りたかった」「材料全部ある!」と感激する声が相次ぎ、これまでに3.5万リツイートと11.1万いいねが寄せられています。
周辺でもお手頃価格のHMは売り切れだったそうですが、クランペットは「高校生のとき初めて作っておいしさにハマり、以来、粉や塩、牛乳の量を調節して作っていた」といい、「コロナの影響で皆さん様々な工夫でステイホームを乗り切っておられるので、私もなにかできればな、と。多くの人にレシピが伝わって嬉しいです」とも。「シャバシャバになったり、膨らまなかったりすることもありました」といいますが、コツは「繊細なドライイーストを始め、計量をきちんとすること、膨らみが悪ければ焦らず放置すること」といい、「薄力粉より強力粉がおすすめですし、ブレンドするのも楽しいです」と教えてくれました。
ネットには他にもHMを使わないお菓子レシピやアイデアがいろいろ。ちょっと手間だし、失敗もしそうですが、転売ヤーによる悪循環と物流の圧迫を防ぐためにも、親子であれこれ試すのも、こんな時しかできない楽しみ方かもしれませんね。