7月7日は七夕。天の川を挟んで離ればなれになった織姫(こと座のベガ)とひこ星(わし座のアルタイル)が、年に1度の再会をするという悲恋の物語にちなんでいますが、例年はほとんど梅雨真っ盛りなので、ロマンチックな星空はあまり見られない印象があります。実際のところ、どれくらいの割合で晴れるのでしょうか。
全国各地の気象台は、1年365日の全てについて、「晴れ」「曇り」「雨」「雪」の天気が出現する割合を示す「天気出現率」というデータを保有しています。1981~2010年の30年間の天気を元に、平均値を抽出したものです。
七夕にもっとも晴れる割合が高いのは那覇市の60%です。沖縄の梅雨明けの平均は、6月23日ごろなので、良く晴れるのは当然ですね。
西日本も比較的晴れていることが多いようです。広島市で46.7%、鹿児島市で43.3%ですので、半分近くは夜空を眺めて甘い会話を楽しめるようです。
やはり梅雨真っ盛りの本州各地は、かなりチャンスは少ないようです。東京は30%、京都と神戸は26.7%、大阪と仙台、新潟は23.3%ですので、確率的には4年に一度見られるかどうかです。
そして、主要な都市の中で、最も天に愛されない街があります。それは名古屋市です。晴れの確率はわずか13.3%です。
東京管区気象台によると、「7月7日は沖縄や北海道をのぞいて梅雨なので、梅雨前線の影響で晴れにくいです」。そりゃそうですね。名古屋市が東京や大阪より晴れにくい理由については「…分かりません。偶然の産物ではないでしょうか」。
ところで、七夕は本来、旧暦7月7日の行事なので、私たちが現在使っている新暦にすると、今年は8月25日頃に該当します。8月下旬は、台風でも来ない限り、全国的に晩夏の日差しが厳しく、良く晴れます。旧暦を使っていたころは、織姫とひこ星の姿もよく見えたのでしょう。
今年の七夕はどうなるでしょうか。気象庁の週間予報(3日現在)で7日の予想は、南西諸島をのぞいて全国的に雨や曇りのぐずついた空模様ということで、今年の七夕の夜空はちょっと期待薄とみられます。
でもね、織姫とひこ星のことを思えば、雨や曇りでいいじゃないですか。16光年、約150兆キロを隔てた遠距離恋愛中の2人です。大人です。1年ぶりの逢瀬、のぞかれたくないでしょう。