1枚のダンボール紙が…エイリアンみたいな造形に大変化!? 「2時間捏ねた結果」魔法のような技に衝撃

川上 隆宏 川上 隆宏

あるダンボールアーティストの魔法のような技が話題です。カットされた1枚のダンボール紙が、アーティストの手にかかると…なんということでしょう。エイリアンみたいな造形に大変化しちゃいます! 2時間ほど「手で捏(こ)ねた」結果といいますが…捏ねるだけでこんなすごいものができちゃうなんて、どうしても信じられないんですけど…。衝撃のビフォーアフターに、ネット中のみなさんが驚いていますよ!。

画像を投稿したのは、ダンボールアーティストのオダカマサキさんです。ダンボールで幻獣や生き物をモチーフにした作品を作っており、Twitterでは「オドンガー大佐」(@odonger2)という名前で活動されています。「切ったダンボールを手で捏(こ)ねて、立体化する魔法(物理」とのコメントとともに、ダンボール紙と、それを加工して作品にした様子を22日ツイートしたところ、24日夕刻までに2万件を超す「いいね」がついています。

作られた造形物は、まるでSF映画にでも出てきそうなエイリアン形状。ぶくぶくごつごつした形状や、しわの入り方が、本物のような不気味さです。加工前のダンボール紙のカットが、ゆるキャラをも想像させるかわいらしい形状だったこともあり、そのギャップも違和感を増大させていそうです。

画像を見た人たちからは「途中で何が起きたのか」「錬金術師ですか」「もう意味が分かんないです」といったように、不思議がる声が続々と。しかし、オダカさんは「ダンボールを捏ね捏ねします!」「二時間捏ねるだけですよ!」と繰り返すばかり…。「Wow I don't know how you do it」「AMAZING!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と、ワールドワイドに驚愕の声が寄せられています。

というわけで、あまりにも不思議なので、お話を聞いてみました。

―今回の造形物は、何を作ろうとされていたのですか。

「クトゥルフです」

―あ、てっきりエイリアンかと思っていましたが、違ったのですね…。クトゥルフというと…架空の神話に出てくる異型のキャラクターでしょうか。タコやイカに似た頭部を持っていて、軟体動物を巨人にしたようなものもありますね。

「今回投稿した画像は、クトゥルフの全身を作っている途中のもので、1枚のダンボールから顔の基本部分を造形しています。これから多くのパーツを制作、貼り合わせて仕上げていく予定です」

―今回の投稿した造形に使われているダンボールは、特別な種類だったりしますか。

「流通しているダンボールですが、薄いものを使っています。化粧品や家電の箱に使われているようなもので、厚みは約1mmです。一般的な通販に使われるような箱は厚み3mm程度になります」

―手で「2時間捏ねる」とのことですが…具体的にどのような作業をしているのでしょうか。

「捏ねるといっても、最初に丸めたりしているわけではありません。ダンボールを切り出したあと、曲げたり、折ったりを複合的に、上下左右、裏表からなど様々な方向から行います。そうすることで、曲面を作ったり、凹凸を作ったりすることが出来ますが、その作業のことを『捏ねる』と呼んでいます。ときに湿らせたりしながら、自分の手や、スパチュラ(粘土ベラの様なもの)、ピンセットなどを使い、目的の形に近づけていきます」
「ちなみに、この画像のあとに続けて4時間捏ねると、このような状態になります。触手が増えていたり、目やまぶたの部分は別パーツで制作して貼っています」

―続けて6時間もの作業で「指が瀕死」になったとツイートされていますものね…。ちなみに表現で一番こだわったところはありますか。

「頭の形状を1枚の紙から造形することで、継ぎ接ぎのない皮膚感を出すことです。これから全身を作りますので、あくまで現段階でのポイントですが」

―この画像を紹介されようと思ったのはなぜですか。

「ハッシュタグ『#あなたのユニーク魔法』というのを見て、投稿してみました。1枚の単純な板形状から複雑な曲面を表現できる技術を中心に、一番魔法の様な仕上がりになる作品を選びました」

―ほかの投稿で「今年は捏ねメインの作品にするつもりです」と書かれていましたが…。

「作品を制作するには、切る、折る、捏ねる、貼る(組み立てる)という代表的な工程があります。今回の作品では、タコのようなヌメッとした不気味さを演出するために、捏ねの工程を意図的に増やして造形しようと考えました。去年も参加した夏の大きな展示で、この作品を出品する予定です。

―投稿には大きな反響が寄せられています。

「1枚から顔の基本部を造形するのは、作品のほんの一部分です。完成作品を見て頂けると嬉しいです!」

   ◇   ◇

オダカさんのこれまでの作品をまとめた書籍が7月18日に発売予定です。ダンボールの基本的な加工方法や、愛用の道具が紹介されるほか、5つの作品について詳しい作り方の解説と「写して使える型紙」も収録されるとのこと。関心を持たれた方、ぜひいかがでしょうか。

■オダカマサキ ダンボール アートワークス http://shinkigensha.co.jp/book/978-4-7753-1840-9/

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