コロナ用語の「次亜塩素酸」オノマトペでは分からない漢字の素晴らしさ 京大教授が語る

京大・安部教授/科学よもやま話

安部 武志 安部 武志
「次亜塩素酸」という言葉は漢字でこそ伝わると、安部教授は話す(kei u/stock.adobe.com)
「次亜塩素酸」という言葉は漢字でこそ伝わると、安部教授は話す(kei u/stock.adobe.com)

 ちなみに、「塩素」。これは『しお』の『素(もと)』ですよね。この漢字をあてた江戸時代の宇田川榕菴先生のセンスは抜群です。『塩(しお)』は塩素とナトリウムから出来ているので、確かに「塩の素」です。

 さて、オゾンガスもコロナの殺菌に使用されています。オゾンも酸化力が非常に高いです。オゾンは酸素三つから出来ているものですが、どんな漢字をあてているのか調べました。「三酸素」です。そのままやん。面白くなかったですね。酸化の対となる語が、「還元」です。これは元に戻るんですよ。酸化鉄から酸素を取って、元に戻して鉄を作るのが還元です。

 繰り返しますが、漢字わかりやすいです。オノマトペでは分からないんです…という言い訳をしたいために、つらつらと化学に関連する漢字の話を書いてしまいました。さて、電池です。これは「電気」が「溜まっている」ですね。もう良いですか。最後に、電池では「酸化力の大きいものと還元力の大きいものが正義」となります。この話はまたどこかで。

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