福岡市役所で「金曜正午の感謝の拍手」を初実施 命を守るすべての人へ感謝を込めて

西松 宏 西松 宏

 緊急事態宣言が出された福岡・天神の福岡市役所(福岡市中央区)で10日正午、ひときわ大きな拍手がわき起こった。いま世界各地で行われている、医療、介護従事者らに感謝の気持ちを伝える「感謝の拍手」だ。正午のチャイムが鳴ると、実施を提案した高島宗一郎市長をはじめ、約250人の職員有志が市役所各フロアのバルコニーに出て、3分間以上にわたって一斉に拍手をおくった。中には「ありがとう」と書いた紙を掲げる職員たちも。

 福岡市内での新型コロナウイルス感染者数は4月9日時点で150人。高島市長の9日付公式ブログによると、「(医療や介護の現場で働いている人たちは)クラスター感染が発生するかもしれない、また自身や大切な家族が感染するかもしれないという不安と戦いながら、みんなの命を守るための職務を全うしてくださっています。緊急事態宣言の中でも仕事への責任感で本当に頑張っていただいています。(中略)金曜日の正午から3分間程度、みんなで医療・介護関係者、そして私たちの命を支えてくれる全ての皆さんに感謝の拍手をおくりましょう」とつづっている。

 感謝の拍手は「金曜正午#FridayOvation 医療・介護の関係者に感謝の拍手を」と名付けられ、この日が初めての実施。市長はバルコニーで「感謝の輪を広げよう!」と書かれたメッセージボードを掲げて参加した。趣旨に賛同する市民や企業、団体も増えているという。

 拍手をおくった市職員の橋永菜月さん(25)は「普段から感謝の気持ちは持っているが、こうしてきちんと時間を設けて行動として表すことで、改めてその気持ちを強く持つことができた。週末前の金曜日に自分の行動を見直し、外出しないでどう過ごしていくかを考える時間にもなった」と振り返った。

 市長はブログでこう続ける。「この感謝のメッセージは、もちろん私たちの生活に欠かせないスーパーや保育所、留守家庭子ども会などで働いてくださる方など、私たちの命を支えてくれる全ての皆さんへの感謝のメッセージです」

 市のホームページからメッセージボードをダウンロードし「#️fridayovation」のハッシュタグをつけてSNSに投稿もできる。市の担当者は「感謝の拍手は緊急事態宣言が出ている間、毎週金曜正午に継続して行っていきたい。市民の方々や全国に広がっていくきっかけになれば」と話している。

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