女性に勘違いされて芸名誕生 渡辺いっけいの青春はサブカル雑誌にあり

石井 隼人 石井 隼人
サブカル雑誌常連だった渡辺いっけい(撮影・石井 隼人)
サブカル雑誌常連だった渡辺いっけい(撮影・石井 隼人)

しかも当時は漫画家志望。「“いっけい”という読みに気づいたとき、漫画家としてのペンネームにもピッタリじゃないか!と。その瞬間、世界がパッと開けた気がしました。思いついて以降は『漫画家・渡辺いっけい作品集』という宣伝広告を描くという、今考えるとメチャクチャ恥ずかしいことも一人でしていました」とサブカル系若気の至りあるあるに照れる。

掲載誌面は残念ながら処分してしまった。「周囲が受験勉強に励んでいる中で僕はハウサー常連に励んでいたわけですから、親から『お前がグータラしてるのはビックリハウスのせいだ!』と言われて大げんか。確かに落ちこぼれて進級もヤバかった。それで心を入れ替えようと、すべて実家の庭で燃やしました。燃やすって…やることが若いですよね」とサブカル系若気の至りあるあるパート2。資源ゴミとして出さずに燃やすという決別ぶりもなかなかだ。

渡辺いわく「まさに青春でした」と懐かしそうに回想する、ビックリハウスにハマった熱中時代。そのハウサー・イズムは40年以上たった現在、意外なことに役者業に活きていた。「昔取った杵柄ではないけれど、自分ならば面白いものを思い浮かべることができるはずという自信がどこかにあります。面白いアドリブを急に求められても焦ることがない。あまりに面白いアイデアが浮かんできて、ついつい『俺は天才か…』と口に出してしまって共演者からドン引きされて恥ずかしかったこともあるけれど、例えくだらない事でも思いついた瞬間は無敵なんです。それは投稿していたときも、演じている今も変わりません」。漫画家ではなく、俳優という肩書きで長いキャリアを誇っている渡辺いっけい。青春時代は現在進行形だった。

初主演映画『いつくしみふかき』の公開が控える。

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