平成を代表する女優・広末涼子(39)も3児の母となり、今年7月に40歳になる。にもかかわらず、デビュー当時と遜色ない瑞々しさと自然体を維持している。まさかの不老不死!?それに広末は「女優は昇進しない職業。いいのか悪いのか、そのままでいてしまうのだと思う」と初心変わらずの心境を打ち明ける。
長渕剛(63)主演の映画『太陽の家』(1月17日公開)を皮切りに、2020年も出演作が目白押し。女優生活は今年で26年目に突入する。「若いころと違って、いい意味での信頼と期待がある。そうなると自分にはまだまだ合格点が出せないし、もっと上手くなりたいと思う気持ちが強い。だから飽きないし、毎回緊張するので初心に帰ることができる」と今もなお新鮮。それはスランプを乗り越えたからこその境地でもある。
14歳でデビューし、CM出演を機に大ブレイク。テレビドラマに映画に引っ張りだこで、20代に突入しても人気は衰えず。ところが「今考えると“どれだけ生意気なんだよ!”と思うのですが…年齢的に娘役だったり妹役だったりと与えられる役がどうしても似通ってしまうから、当時は“もう自分のやることはなくなった”と思っていました」。
そんな20代から一転、歳を重ねるごとに女優としての幅はいかようにも広げることができると知る。プライベートでも妻となり、母親にもなった。自身の環境の変化もプラスに動いたのかもしれない。「30代になってどれだけふり幅のある役柄をいただけたかと考えると、10代20代の頃とは全然比べ物にならないくらいの重みがあります。役柄の設定や状況など作品や役によって自分が取得しなければならないものも多くなり、この歳になって人生初が沢山あります」。人間としての深みが、与えられる役柄にも自然と反映された。
デビューから26年という数字について「自分でも恐ろしい!」と笑い飛ばす広末は「人は忘れていく生き物。忘れていかないと前進できないし、忘れないと怖くて挑めないくらいの仕事だとも思うので、自分が歩んできた過程を語るのではなく、結果だけを伝える人になりたい」と過去を懐かしむよりも、前進あるのみを目標にする。
女優として実践しているのは、器でいること。「綺麗に見られたいとか、作品の中で広末涼子をプロモーションしたいという気持ちはありません。私はただの器でいたい。そこでどう料理されるのかが重要だと思っています」。40歳を目前にした今、女優・広末涼子に迷いはない。