わが家なりの理由があって深夜・早朝パートしてます
▽保育園ではなく幼稚園に入れたかったから
フルタイム勤務は子どもが小学生になってから、子どもは幼稚園に入れたいというのもあって、退職しました。が、産後しばらくして、子どもに影響のない範囲で、しかもできるだけ短時間で効率良く収入を得たいと思い、夜勤の仕事を選びました。近くの大型居酒屋店で、営業終了後の12時から2時間、あと二人のパートさんと、店内の掃除・食洗機等の後始末(グラス等を片付ける)などをします。
かなり広いので大変ですが、時給1400円とこの辺の相場で考えると、昼間は900円台が多いので、かなり高いです。月に4万5000円ほどの収入ですが、週4日といっても、たった2時間ですからあっという間。帰宅が2時半くらいで、それでも4時間程度の睡眠はとれるし、子どもを幼稚園に送った後、どこかで少し仮眠したり、夕飯後に出勤まで少し寝ることもあります。とにかくどこかで少しでも寝ておくのが深夜パートを続けるコツですね。
一緒に働いている主婦の方と多くは話しませんが、他にも深夜の仕事を掛け持ちしているそうです。でも、掛け持ち組は半年くらいで辞めていきますね、やはり体力的にキツイのだと思います。(Wさん/33歳/子ども・5歳)
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▽夫婦の夢のために今はひたすら働くのみ!
夫はホテルの厨房勤務で将来、祖母から譲り受けた自宅の1階を改装し、ふたりで小さなレストランをするつもりで、とにかくお金を貯めたい。ただ、わたしは手に職もないですし、昼間、保育園にいれて事務系の仕事をやっても、保育料を差し引くと、さほど手元にお金が残りません。
夜中に働くのは夫が子どもを見られる=保育料がかからず働いた分がまるまる収入になるのが大きなメリット。私の場合、明け方3時から7時までの4時間を週4日やっています。前は10時から5時にしていたのですが、これはキツかった。子どもがまだ小さいので、帰宅してからもほとんど眠れず、めまいがするほど辛くなったので、シフトを変更してもらいました。
これだと、子どもと夕飯を食べたら(夫は勤務先で食べて帰宅するか、帰宅してから適当に自分で食べてくれる)8時くらいには寝てしまいます。2時には起きますが、毎日ほぼ6時間程度の睡眠は確保でき、昼間に寝られなくてもそれほど辛くありません。4時間で時給1300円(量販店倉庫の配送準備)、月に8万程度稼げます。まぁそれでも大変は大変ですが、私が働いた分すべてと夫のボーナス分を貯金すれば、あと2年くらいで改装資金が準備できる計算。その夢があればこそ、頑張れます!(Sさん/36歳/子ども・4歳)
「今できる働き方」からキャリアはスタートしている
夫がいて子どもを見てもらえる、それは安心感もあるし、なおかつお金もかからないので、深夜ワークは一見とても合理的な「ママの働き方」にも見えます。
とはいえ、深夜・早朝に働くママたちは異口同音に「とにかく体力的にはキツイ」と言っています。夜働いて昼間寝ればいい、という単純な問題ではなく、実際には子どもが幼稚園にいって不在であっても「疲れていても寝られないままお迎えの時間がきてしまう」ことも多く、ましてや幼い子がいるとお昼寝の時間程度しか仮眠できず、週5日以上の深夜ワークを入れている人の多くが「挫折して、時間を減らした」「週3日にした」と、何かしら、継続して深夜に働けるよう、体への負担を減らす方法をとっています。
夜働くというと、水商売のイメージが強いかもしれませんが、実際には、ファミレスやコンビニ、24時間稼働の工場、飲食店閉店後の清掃、物流関係、カラオケ店やサウナの受付など、実はさまざまな業種で人を募集しています。
ズバリ、深夜・早朝パートがうまくいくかは「体力と気力次第」です。あとは深夜勤務のペースをうまく作り、体を休める時間を確保できること、あるいは「どこでもすぐに眠れる」なんていう人には、時給が高く効率良く稼げる深夜ワークも選択肢のひとつと言えるかもしれません。
結局、フルタイムでもパートでも、深夜ワークでも「大変なこと」はあり、あとは自分と家族にとってベストな選択を、その都度の状況に合わせて選んでいくしかありません。子どもが幼い時の「今」は、「今できる働き方」を選ばざるを得ない、選択肢がない状況ということもあるでしょう。
考え方のひとつですが、なにも大手企業でバリバリ働き、スキルアップして高いポジションを得ることだけが「キャリア形成」ではないと思いませんか?
子どもの成長や環境の変化に合わせながら、「将来、自分はどんな働き方がしたいのか、子育てが最優先なのか、やりたい仕事があるのか、それとも社会に出ることが大切なのか、目標とする収入額は」と自分にとっての大事なことを具体的に考え、柔軟に次の仕事・働き方へとシフトしていくこと。少しずつ、自分のためを考え、自分自身が求めている働き方に近づいていくこと、あるいは「働かなくてもよいだけ貯めたら、すっぱり仕事やめるか、好きな仕事しかしない!」そんな目標でもいいと思います。
それが、結婚・出産というステージごとに環境が大きく変わる女性にとっての「キャリア形成」ではないでしょうか。