織田信長誕生(1534年)から小田原征伐(1590年)までの戦国大名の1年ごとの勢力図変遷を、大名の名前の大きさと動きで視覚的に表現した2分15秒ほどの動画が、「名前だけなのにむちゃくちゃわかりやすい」「日本史の教材に使えそう」と注目を集めている。制作したのは、YouTubeで主に戦国時代に関する授業を配信しているYouTuber、ミスター武士道さんの「戦国BANASHI」。現在放映中のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」の補助線としても大いに役立ちそうなこの動画について、話を聞いてみた。
戦国BANASHIは、デジタルマーケティング会社「メディアエクシード」が運営する教育系YouTubeチャンネル。ミスター武士道さんが史料や歴史研究家の書籍などを基に日本史を解説しており、最近は大河ドラマを題材にすることも多いという。
戦国大名の力関係や位置関係が一目瞭然
――このような仕掛けの動画を作ろうと思ったきっかけは?
「これまでいろいろな歴史解説動画を出す中で、戦国大名の力関係や位置関係が一目でわかる資料が欲しいなと思っていました。しかし、教科書はすごく簡素ですし、そもそもマイナーな大名は載っていません。詳しい資料でも1年ごとの勢力の移り変わりがわかるものは見つけられませんでした。それならもう自分で作ってしまおう、と」
「あとは、このように視覚的に表現できれば、小難しい説明が要らないので、歴史に詳しくない人や、海外の人にも見てもらえるかもしれないと思ったからです。でも今のところ海外からの反応はありません(笑)」
――制作時間はどれくらいですか?
「トータルで50時間から60時間かかりました」
文字の大きさで「下克上」を視覚的に表現
――注目してほしいポイントはありますか?
「戦国大名の勢力を文字の大きさで表現したところです。信長や秀吉が敵をのみ込んでどんどん大きくなっていくところや、大国が萎んで小さくなっていく様子などを通じて、戦国時代の下剋上を感じられるのではないかと思います」
「また、大名の没年に合わせて新しい当主の名前が出てくるあたりもポイントです。全部で150人ほどの武将の名前が出てきます」
――特に苦労した部分は?
「一番苦労したのは、先ほど言った『当主が交代するタイミング』を決めることです。『武田』『上杉』などの苗字だけならそんなに苦労はなかったのですが、誰が何年に没したのかというのを調べるのがめちゃくちゃ大変でした…」
「また当主交代にも『先代が亡くなって2代目が継いだ』『先代が隠居して2代目が継いだ』『名目上は2代目が継いだことになっているが、実権は先代が握ったまま』などの様々なパターンがあるので、誰を表示するのかを決めるのが難しかったです。そこはTwitter上で歴史好きの人たちからアドバイスを受けながら作っていきました」
一緒に歴史を楽しもう!
――普段の活動について教えてください。
「YouTubeで(なるべく誰にでもわかるように)歴史解説をしています。最近は大河ドラマの解説がメインになっていますが、リクエストを受けたりして動画を作ることもあります。一方的に発信するだけでなく、コメント欄を介して意見を交わしたりもしているので、戦国時代や歴史に興味のある方にはぜひ一度見て頂きたいです」
「あと、今年は歴史能力検定を受けようと思って勉強中なので、応援よろしくお願いします(笑)」
――応援しています!
■Twitterアカウントは、戦国BANASHI@YouTube歴史解説チャンネル(@sengokubanashi)
■「ミスター武士道の戦国BANASHI」のYouTube
https://www.youtube.com/channel/UC0j5Sk9XqwibZIh_Dxml8jw
■株式会社メディアエクシード https://mediaexceed.co.jp/
※「動画編集の依頼も承っておりますのでお気軽にお問い合わせください」とのことです。