憧れのオッドアイの白猫は警戒心の塊…「心開いてくれるまで頑張ろう」懸命のお世話が通じて本当の家族に

渡辺 陽 渡辺 陽

 

東京都に住むりえさんは、オッドアイの白猫に憧れていて、いつか飼いたいと思っていた。あまりいないと聞いたのだが、初めて参加した譲渡会で運命的な出会いを果たす。ただ、その白猫は、まったく人なれしていなくて、ケージの隅で怯えていた。

オッドアイの猫に憧れて

りえさんは、九州に住んでいた時、ロシアンブルーのぴっちちゃんという純血種の猫を飼っていたが、10歳で早くに亡くなってしまったので、次に飼う猫は保護猫にしようと決めていた。もう1匹、ちょこくんという黒猫を拾って飼っていたが、多頭で飼ってみたいとも思っていた。

以前は犬派だったが、猫ブームが始まるずっと前から猫が好きになり、いろんな猫グッズを集めていた。しかし、そうこうするうちに本物の猫が飼いたくなり、ぴっちちゃんを飼ったのが猫との暮らしの始まりだった。2010年10月下旬にちょこくんという黒猫の子猫を保護して飼うことになり、2016年に家を建てた時には、キャットステップとキャットウォークを備え付けたという。

りえさんは、シルバーの台座にオッドアイの猫のモチーフがついている指輪を持っているのだが、魅惑的なオッドアイの猫にあこがれていて、いつか飼いたいと思っていた。

「保護団体に問い合わせても、『たまにオッドアイの子がいますが、めったにいません』と言われたんです。でも、2017年1月、初めて譲渡会に行ってみると、まるでそれが運命であったかのようにオッドアイの子に出会ったんです」 

大変かもしれない、でも・・・

オッドアイの猫は、山梨県の動物愛護指導センターから引き出された子で、埼玉県の保護団体が保護していた。もともとは野良猫で、誰かが子猫の時に保護して持ち込んだのだという。

「引き出された当時は、目やにがひどくて、被毛も汚れていて、警戒心の塊のような猫だったと聞いています」

まだ人になれるように訓練中だったが、はじめて譲渡会に連れてきたのだという。ずっと屋根付きのケージの奥に引っ込んだまま、縮こまって絶対に出てこない感じだった。怯えていて、顔は可愛いが人気がなかった。

「『もし譲渡しても大変ですよ』と言われたのですが、オッドアイの子が良かったのと、お互い初めて参加した譲渡会で出会ったことに運命を感じました。同じケージの中で育ったというきなこちゃんというシャムミックスの猫と一緒に譲渡を希望したんです」

人見知りの猫、心を開く

りえさんは、オッドアイの猫は真っ白なので「マシュマロ」と名付けた。マシュマロには兄弟がいたが、みんな里親さんが決まって、マシュマロだけが残っていた。ただ、「兄弟もなかなか人に懐かなかったけれど、みんなちゃんと懐いたので大丈夫、いつでも相談に乗ります」と言われたので心強かった。

保護団体の人は、「今、マシュマロが落ち着ける場所は唯一ケージの中だけなので、とにかくケージの中でいっぱいなでてあげてください」と教えてくれた。不思議なことに、マシュマロちゃんはケージの中でごはんを食べている時だけはなでさせてくれたので、りえさんはいっぱいなでるようにした。

「マシュマロが認めてくれるまで何としても頑張らないと、と思っていました」

先住猫のちょこくんは、最初は怒っていたが、数日後には怒らなくなり、「今日もいる、まだいる、ずっといるのか」とでも言っているようだった。

りえさんは、最初はケージの中でマシュマロちゃんにごはんをあげていた。マシュマロちゃんがごはんを食べている時だけがなでられるチャンスだと思い、ひたすらなでた。マシュマロちゃんはケージの外でのびのび動きたかったようで、外に出すと、家具の下など逃げ込める場所を確保しつつ、キャットウォークで遊ぶようになった。いまでも抱っこはさせてくれないが、お腹を見せてさすってくれと要求するほど、りえさんに甘えるようになった。

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