ハンドルを回すと、いろいろな角度に配置された歯車がクルクル回り、花が開いたり閉じたり・・・という動画が話題です。どうなっているのか、よくわからないけどスゴイ!
このからくりを作った鈴木完吾(K.$uzuki・@BellTreeNursing)さんが、「秩序ある無秩序を作りました。知人から歯車がかみ合う例え話を聞いて作ろうと思い付きました。ほとんどの歯車を傾けていますが、全ての歯車はかみ合い5つの機械花が開閉します。」と動画をツイートしたところ367.2万回再生され、7.9万のリツイート28.7万のいいね!がつき大きな反響を呼びました。
リプ欄には「これはロマン」「凄い!ワクワクするギミックですね(⋈◍>◡<◍)。✧♡」「素晴らしい構造美ですね!」「よく完成させたな…Σ(゚Д゚)!」「うつくしい・・・」「天才だ。」「凄い、芸術。」「意味がわからない すき」と完成度の高さにみなさん驚いています。「からくりを作る人」として活動する鈴木さんに聞きました。
──スゴイ!と思うのですが、どうなっているのかわかりません(笑)。どこに注目したらいいですか?
ほとんどの人がイメージする「歯車のかみ合い」は、平面的か、直角平行に従う配置がほとんどです。でも、歯車というのは一定の条件を満たしていれば動かすことができます。一見すると動かないだろうと思わせておいて動くという、歯車はこんなこともできるんだというところを見てもらいたいと思っています。
──たしかに大きさの違う円盤型の歯車が、平面に置いてあるくらいしかイメージできませんでした。鈴木さんにとって、からくりの魅力ってどんなところですか?
からくりは電子回路と違って、力の伝わり方を直感的に知ることができます。歯車のかみ合わせを見るだけでも知的好奇心が満たされるのを感じます。
──2016年の東北芸術工科大学の卒業制作「書き時計」もとても話題になりましたが、からくりの作品に興味を持たれた経緯を教えてください。
大学のころに、私の先輩が制作した木製振り子時計に感銘を受けたからです。電気的なものを一切使わず、錘(おもり)の力だけで動く。からくりの世界を知ったのはそのときです。それから自分なりにからくりを研究して制作したものが筆記する時計「書き時計」でした。
──今回も話題になりました。
この作品の動きを見て、「社会の歯車」や「宇宙の秩序」といった、哲学的なコメントを多くもらいました。製作者としてはさまざまな解釈をいただいて非常にうれしく思います。
──今後はどのような作品をつくっていきたいですか?
「構造の可視化」と「合理的な不合理」を追求して、からくりを作っていきたいと思っています。シンプルさとは逆をいくような、ロマンあふれるものを作りたいです。
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鈴木さんのホームページでは、「秩序ある無秩序」の製作過程のほか、歯車などの機構をわかりやすく紹介しています。
■からくりすと http://karakurist.jp/