一般的に地下鉄は都会の地下を走り、運行本数が多いというイメージがあります。とはいえ、運行本数が多い路線、少ない路線というのは当然ながら差が出ます。そこで、大阪、京都、神戸の関西3都市を走る地下鉄で比較しました。なお、比較した時間帯は平日の日中時間帯です。
大阪で最も運行本数が少ないのは今里筋線
関西にある市区町村の中で最も人口が多く、存在感がある大阪市。そんな大阪市の地下を縦横無尽に走るのがOsaka Metro(大阪メトロ)です。大阪メトロの中で最も運行本数が多いのは御堂筋線ですが、最も少ない路線はどこでしょうか。
最も運行本数が少ない路線は今里筋線です。今里筋線は井高野駅と今里駅を結び、大阪市東部を南北に走ります。一方、今里筋線はニュートラムを除く大阪メトロの路線の中で、唯一御堂筋線と接続していません。そのようなことから、ニュートラムを除く大阪メトロにおいて最も利用者数が少ない駅も今里筋線にあります。
日中時間帯の運行本数は1時間あたり6本です。この時間帯は御堂筋線のように区間運転はなく、全線にわたり10分間隔で運行されています。
一方、今里筋線の接続駅、京阪の関目駅は12時から14時の間(出町柳方面)は1時間あたり4本の停車頻度です。同じく接続駅のJRの鴫野駅は日中時間帯に関して、学研都市線(片町線)、おおさか東線共に1時間あたり4本の停車頻度を基本としています。
京都市営地下鉄は烏丸線と東西線から成ります。日中時間帯の運行本数は京阪京津線直通列車が加わることから、東西線の一部(御陵〜太秦天神川)の方が運行本数が多いのです。
東西線は「赤字」が取り沙汰されていますが、京都市役所や烏丸御池といった京都市中心部を通ることにより、運行本数が確保されている格好です。
北神線は15分間隔の地下鉄
運行本数比較で注意が必要な地下鉄は神戸市営地下鉄です。なぜなら、正式には神戸市営地下鉄は5路線(西神延伸線、西神線、山手線、北神線、海岸線)から成り立っているからです。一般的には西神・山手線(西神中央~新神戸)、北神線(新神戸~谷上)、海岸線(三宮・花時計前~新長田)で区分されています。
この中で最も運行本数が少ないのが北神線です。日中時間帯は15分に1本のみ。西神・山手線の半数が新神戸駅で折り返します。北神線は六甲山系をトンネルで突っ切り、終着の谷上駅は神戸市北区に位置します。谷上駅で神戸電鉄有馬線に接続します。
北神線は2020年6月1日に北神急行電鉄北神線から神戸市営地下鉄北神線になり、全国でも珍しい「公営化」を果たしました。同時に三宮~谷上間の運賃が半額に。運賃値下げの効果により、コロナ禍前より利用者数は増加しました。
一方、谷上駅では神戸電鉄有馬線とドアツードアで乗り換え可能。神戸電鉄有馬線も15分間隔のため、接続はスムーズ。谷上駅では相互の乗り換え客をよく見かけます。
さて、北神線の15分間隔という運行頻度は全国の地下鉄を見渡しても、少ない部類に入ります。同じく15分間隔の地下鉄路線として名古屋市営地下鉄上飯田線が挙げられます。上飯田線は平安通~上飯田間0.8キロの短距離路線であり、上飯田駅から名鉄小牧線に乗り入れます。
平安通駅の時刻表を見ると、日中時間帯は1時間あたり4本です。谷上駅と平安通の1日あたりの平日の運行本数を数えると谷上駅発は計100本、平安通駅発は計91本となり、北神線の方が上飯田線よりも運行本数は多いという結果です。
いずれにせよ、関西で最も運行本数の少ない地下鉄路線は神戸市営地下鉄北神線になります。