「社会が助け合いにあふれている」と思う人はわずか3%!? ある意識調査から見えるこの国のかたち

黒川 裕生 黒川 裕生

「社会が助け合いにあふれている」と思う人はわずか3%―。

こくみん共済coop<全労済>が今年1月下旬、インターネットで「助け合い」に関する意識調査を実施したところ、そんな寂しい結果となってしまった。その半面、「助け合いがあふれる社会」に対する“共感”は77%超。こくみん共済coopは「決して他者に冷淡なわけではなく、困っている他者に出会っていない、または気づいていないだけなのではないか」と分析する。

こくみん共済coopは2019年10月から、社会に助け合いの輪を広げようと「ENJOYたすけあい」プロジェクトをスタート。その一環として、今年1月23日から27日にかけて意識調査を行い、全国の15歳〜79歳の男女計3000人から回答を得た。

「あなたは、社会がたすけあいにあふれていると思いますか」という問いに「そう思う」と答えた人は2.9%、「ややそう思う」は24.0%で、逆に「あまりそう思わない」は57.1%、「そう思わない」は16.0%だった。

ただ、「あなたの、『たすけあいがあふれる社会』に対する共感について」という項目では、21.7%が「共感できる」、55.5%が「やや共感できる」と回答。「あまり共感できない」(15.8%)と「共感できない」(7.0%)を大きく上回った。

「直近1ヵ月以内にあなたが行ったことがある行動として、あてはまるもの」として、「知らない人で困っている人を助ける」「寄付」「ボランティア」の3つを選んだ人は、それぞれ14.4%、12.2%、8.4%にとどまった。うち、「知らない人で困った人を助ける」で「1ヵ月以内にしたことがない」と答えた人を対象にその理由を尋ねると、「そのような場面に出会わなかった」が75.2%と最多を占めた。

こくみん共済coopは「今回の調査から、多くの人が『社会が助け合いにあふれている』とは思えていないのが現状で、『誰かに助けを求めることができる』人も少ないことが浮き彫りになった。助け合いにあふれる社会を実現していくためのひとつの方法として、『気軽に助けを求めることができる』環境をつくることが必要かもしれない」としている。

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