品薄の「使い捨てマスク」…どうやって作られているか知っていますか? 詳細なメイキング動画に注目

川上 隆宏 川上 隆宏

新型コロナウイルスによる肺炎拡大を受け、使い捨てマスクの品薄状態が続いていますが、そもそも使い捨てマスクってどのように作られているのかご存知ですか? 使い捨てマスクが工場の生産ラインで作られる様子を詳細にまとめた動画が注目を集めています。20年前の動画で古めかしさは否めませんが、具体的な製造工程を知る資料として、SNSでは「ためになる」などの声が寄せられています。

動画が紹介されているのは、科学技術振興機構が運営する科学動画ライブラリサイト「サイエンスチャンネル」です。身の回りにある物が出来上がる様子をビデオで追った「ザ・メイキング」シリーズの中に、「使い捨てマスクができるまで」を紹介した14分間の動画があります。

作り方が紹介される使い捨てマスクは、ポリエステルなどの繊維を編まずに化学的に結合させた「不織布」が3層構造になったもの。鼻に当たる部分にはフィットするように針金が組み込まれているほか、口にあたる部分が広がるように折り目も付けられています。

主な工程は以下の通りです。

(1)不織布の供給:3層の構造をつくるため、3種類の不織布が織り込まれていきます。鼻にあたる部分の針金も組み込まれます。

(2)マスク本体の製造:口にあたる部分の折り目をつけた後、不織布をマスクの大きさに裁断します。また、マスクの左右に補強する部分を付けます。

(3)耳掛けの取り付けと仕上げ:マスクの左右に付けた補強する部分をマスクの大きさにあわせて裁断したあと、耳にかけるためのゴムを付けていきます。またその後は、不良品を取り除きます。

撮影されたのは、京都でマスク製造用の機械などを作っている「株式会社ニシガミ」です。機械を展示しているモデルルームでマスクの生産を行うことがあるといい、そのときの様子が撮影されました。動画の撮影は2000年のこと。現在の製造機械は「改良が重ねられており、動画のものとは異なる」そうですが、製造工程自体は大きく変わっていないといいます。

SNSには、20年前の撮影当時からほぼ製造工程が機械化されているからこそ「あの価格にしてあの品質なんでしょうね」という声が上がっているほか、マスクの品薄を受けて「100兆枚製造たのむわ」「これ見たら余計なんで生産追いつかないの?って思うんだけど… 」といった感想を寄せる人もいました。なお、同社ではほかのマスク製造メーカーがどのような工程で作っているのかは把握していないとのことです。

科学技術振興機構・サイエンスチャンネル ザ・メイキング(61)使い捨てマスクができるまで
https://sciencechannel.jst.go.jp/B980601/detail/B000601061.html

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