捨て猫との出会い→10カ月後に保護猫カフェ開店 青年に経営する塾の譲渡まで決断させた子猫

木村 遼 木村 遼

 だが、安心したも束の間、2カ月後に保護猫全頭が白癬(はくせん)に感染し、1カ月半の休業を余儀なくされた。猫の白癬症は真菌の一種「皮膚糸状菌」が皮膚に広がった状態で脱毛などを引き起こし、人にも感染する。いきなり閉店の危機に追い込まれたが、何とか再開することができたという。

 その後は人慣れしていない保護猫を多く受け入れたことで、なかなか譲渡が決まらない時期が続き、頭を抱えたこともあった。しかし、そんな苦しいときは猫カフェでつながったお客さんのサポートのお陰で経営を続けることができた。

 18年12月には月額会員制猫スペース「きぶん屋」にリニューアルし、いまに至る。最近では毎週土曜日の13~20時を通常の猫カフェとして営業し、月末の日曜日には譲渡会を開催。阪本さんは、これまで200匹以上の保護猫を幸せな家族の元へ送り出している。

 その傍ら社会貢献活動にも熱心。「人にも動物にも優しい社会づくり」を目指し、動物愛護団体や中学校など全国各地でトークイベントを開催しており、LINEブログ(@ichironeko)でも情報を発信。YouTube「はぴねこチャンネル」では3度の飯よりにゃんこが大好きな萌えキャラ「きぶんやあおい」として情報を届けており、近々再開予定だ。

 阪本さんに今後の活動を尋ねると「世の中にはたくさんの問題が山積みで、その問題は日々のみなさんの選択の積み重ねでできています」と真剣そのものだった。

 「たとえ殺処分しなくてもよい世の中になっても、社会的弱者と呼ばれる人が苦しんでいては意味がない。誰もが当たり前に幸せになれる世の中にしていくために、気付いた人から選択を変えていこうと呼び掛けたい」

 そんな阪本さん、ネットショップでは無添加のペットフードや分かち合いを意味するフェアトレード商品など、人にも動物にも優しい商品を販売している。いまや、どっぷりと猫派だ。

詳細は→https://kenkoshukan.stores.jp/

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