「49日が明けたら戻ってくる」占いそのまま…亡くなった犬が引き合わせてくれたのは、恐怖に怯えたやせた犬

渡辺 陽 渡辺 陽

日本に住む私たちから見ると、バリ島は素晴らしいリゾート地だが、バリ島に住む犬は、野犬もいれば、ペットなのか何なのか分からないほど過酷な扱いを受けている犬もいる。バリ島に住む加納さんが保護したごまちゃんも、ひどい飼い方をされていたと思われた。

こっちに来るな!近寄るな!!

バリ島に住む加納さんは、3匹の保護犬を飼っていたが、バリ島に移住して最初に保護したぱんくんを亡くしてしまった。2017年1月9日、ぱんくんの49日の翌日、加納さんのご主人がはなちゃんという犬を連れて散歩していると、はなちゃんが突然ぐいぐいリードを引っ張り出した。

「どうしたんだろう」と思い、はなちゃんに導かれるようについて行くと、1匹の子犬がいた。飼い犬だったのかどうかは分からないが、小さくて、ガリガリにやせていた。警戒心をむき出しにしてうなってきたので近寄れなかったが、いったん帰宅したご主人は、食べ物を持って再び犬がいたところに行ってみた。

少し離れた別の場所に移動していた犬は、「こっちに来るな!絶対に近寄るな!!」とでも言うかのように、ギャンギャン激しく吠え、警戒心をむき出しにした。しかし、空腹には耐えかねたのか、食べ物を見るとじわり、じわりと近寄ってきた。 

先代の犬が連れてきた犬?

犬の片脚には、スズランテープ(薄いビニールのテープ状の紐)のようなものがきつく結ばれていて、肉に食い込んでいた。もう片方の脚にもテープが結ばれていて、くっきり傷跡がついていた。身体からは、なぜかチョコレートの匂いがプンプンと放たれ、耳にはこってりと汚れがついていてカピカピになってきた。

「良識ある飼い主に飼われていたとは思えず、私たちは、ひとまず動物病院に連れて行きました。軽度の栄養失調でしたが特に異常はなく、家族として迎えるか里親を探すか選択しなければなりませんでした」

当時、ぱんくんを亡くして深い喪失感を感じ、激しく落ち込んでいた加納さん。日本に住む妹さんは、加納さんのことを心配して占い師さんに相談した。占い師さんは、「ぱんくんは、49日が明けたら戻ってくると言っています」と告げた。

占いに影響されたわけではないが、加納さんは「この子はぱんが連れてきたのかもしれない」とふと思った。一方、3匹多頭飼いできるのかどうか不安も感じたという。しかし、「何とかなるだろう!ようこそ我が家へ!」と前向きな気持ちで、犬を家族にすると決めた。名前は、「ごま」にした。

女性が大好き

当初、ごまちゃんは、先住犬のはなちゃんやちびちゃんとなかなか上手くなじめなかった。隠れたり逃げ回ったり、終始落ち着きなくソワソワしたりしていた。抱きかかえられそうになるとパニックになり、ヒステリーを起こし、紐を脚に結わえられていたからなのか、リードをつけるのも一苦労した。

しかし、数週間もすると、他の犬と仲良くできるようになり、散歩にもなれてきた。肉付きも良くなり、薄かった被毛も生えそろってきた。

いまでは、相手が人間であれ、犬であれ、とにかく女性が好き。女性のお客さんが来ると、そばに近づき、体をくねらせながら「なでて、なでて」とおねだりする。加納さんが一度お腹をなでてあげたら、あまりに気持ちよかったのか、ひっくり返って口を大きく開けて喜んだ。

出会った時は、激しく抵抗したごまちゃんだが、いまではご主人にすっかり懐いていて、お散歩と肉と野菜と米を煮込んだ手作りごはんが大好きな子になった。

■インスタ https://www.instagram.com/pan._.hana/

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