獣医師に聞く…家の近くで野良猫発見!「どうすれば仲良くできる?」「保護しても良いの?」

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 こんにちは。寒さが厳しくなってきましたね。院内でも来院されたネコちゃんがお灸で温まっている姿を多くみかけるようになりました。冷えは万病のもと。日中暖かくても油断せず「養腎防寒」、寒さ対策と腎のケアを続けてくださいね。

 【質問】この前、家の近くで野良猫を発見しました。仲良くなろうと近づいたところ、どうやら怖がられてしまったようで、逃げられました。どうすれば野良猫と仲良くできるのでしょうか?また、野良猫を保護しても良いのでしょうか?(東京・綾さん)

 【回答】非常に難しいご相談ですね。個体差はありますが、野良猫を慣らすには焦らずじっくり時間をかける必要があります。仔猫でさえ警戒心が強いので、成猫だとなお難しい場合がほとんどで、こちらから近づこうとすれば逃げてしまいます。まずはおやつやフードなどで興味を引き信頼関係を作り少しずつ距離を縮めていくことです。

 しかし、忘れてならないのは、相手は野良猫だということです。餌を食べていれば、ご近所のどこかで排泄をしていて迷惑をかけているかもしれないし、雌であれば妊娠して仔猫を産んでしまう可能性もあります。仔猫が生まれれば、また野良猫が増えていきます。

 現在の野良猫問題は、私たち人間の無責任な行動の結果でもあります。食餌を与えるだけでは、真の意味で「かわいがる」ということにはなりません。野良猫は外で自由にしている反面、病気や交通事故など様々な危険と隣り合わせてもいます。

 各地域で、保護団体の方々が、野良猫を保護したり、避妊手術を受けさせたりと、少しでも頭数を減らせるように活動してくれています。しかし、保護団体にもできる限度があります。猫を愛する私たち一人一人が、たとえ小さなことでも、一つずつできることをしていくことが、野良猫を減らす一助となることでしょう。あなたがその猫を一生面倒見られるのなら、仲良くなり保護してあげられたら一番良いですね。

 あなたの優しいお気持ちのおかげで、今回は、大変難しい野良猫、大切な命の問題に触れることができました。ありがとうございました。

◆小林由美子(こばやし・ゆみこ)獣医師。1990年開業の埼玉県ふじみ野市「こばやし動物病院」院長。米国で動物の東洋医学、自然療法を学ぶ。治療以外に予防やしつけなどにも精通し、ペットと飼い主双方に寄り添う診療が評判。

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