こうした設備はプリンセス・クルーズが所有する18隻の客船でも唯一とか。「どれも、日本のホテルや旅館では『当たり前』だけど、外国ではあまり見られません。方や、外国客船の魅力は、その国際色。船内も基本的に英語が共通言語ですし、お客様も外国人の方が多い。その国籍もさまざまで、国内クルーズでも外国のような雰囲気が人気なんです」とプリンセス・クルーズの担当者。そうした中でも日本人客が安心して過ごせ、外国人客にも日本文化を満喫してもらえるよう随所に工夫と改善が加えられ、ショーでは落語も演じられるそうです。「温泉」に興味があっても入り方が分からない外国人旅行客が、大浴場で“予習”をしてから寄港地の温泉を訪れるケースもあるのだとか。
「最近では、飛行機で来日して、その後クルーズ船で国内を巡ったり、台湾や韓国に移動したりする外国人観光客の方も増えています」とも。確かに、移動するには時間もお金もかかるし、調べるのも大変だけれど、船なら食事をしたり、ショーを見たりしているうちに着くのだから体もしんどくありません。リピーター率も6割近くに上るそうです。
となると、最後はお値段。実際、同社の2017年の調査では「クルーズ旅行にお金を払って行きたい」と答えた人は全体の36%。「費用が高そう」「お金がかかりそう」「日程が長そう」などの理由で拒否感も強かったといいます。担当者は「船内での食事はアルコールやスペシャリティ・レストランを利用する場合などを除いて、基本的に無料ですし、交通費と食費と宿泊費と遊興費込みだと思って頂けたら…。早期予約割引などもあるので、1泊1万円台のプランや4泊5日など短いクルーズもあるんです」とも。大きな荷物を抱えて移動する必要がないので、最近は子連れや三世代の客も目立ち、船内にも子ども向けのアクティビティが用意されているそうです。…と聞けば、船旅も少し身近な気がしてきたような。ああ、願いがかなうなら、いつかこんな船に乗って行ってみたいな、よその国!