近鉄の新型特急「ひのとり」…プレミアム車両の極上シートに座ってきた!「ソファに寝ているみたい」

山本 明 山本 明

2020年3月14日デビュー予定の大阪―名古屋間を走る近鉄の新型特急「ひのとり」。先日10月25日未明に雨の中行われた八尾市の近鉄高安車庫への、先頭車両と中間車両の初の車庫入れはネットでも話題になりました。特に注目が集まっているのは先頭車両と最後尾車両で展開するプレミアム車両での「プレミアムシート」。座席は本革を使用し、前後間は130㎝と広めに設定。電動リクライニングを最大限に発揮するとまるでソファに寝そべっているような深いリラックスを得られるといいます。10月27日に大阪市住之江区のインテックス大阪で行われた旅行イベント「ツーリズムEXPOジャパン2019」に伺い、シートの実際の座り心地を体験してきました。

「ひのとり」のプレミアム車両は全席3列。「プレミアムシート」はゆとりのある空間で乗客が最大限リラックスできることに情熱を注いで開発したといいます。事前に行われたアンケートでシートのリクライニングを倒す際、後座席の乗客に気をつかう…という声を受け、全席バックシェルを完備。実際にリクライニングする様子を見ていると、バックシェルの中で座席が滑るように動作します。座席そのものが後方に倒れるわけではないので、後部座席にはその動きが影響しないことが良く分かりました。これなら、気兼ねなく、最大限シートを倒してのびのびと寛ぐことが可能でしょう。またレギュラー車両でも全席バックシェルを採用。これは日本の鉄道初のサービスだそうです。

「プレミアムシート」は本革を使用し、電動リクライニング、伸縮式電動レッグレスト、座席左肩の読書灯、さらには腰部を温めるヒーターなど全操作が手もとで行えます。10月27日、28日に行われた前述のイベントでの近畿日本ツーリストブース内の同シート体験は大人気。10分くらい並ばないと座れないこともあったそう。「ひのとりシートキャラバン」のスタッフの方によると、10~60代まで幅広い年齢層がこのシートを試し、特に腰部のヒート機能や、フォルムが丸みがあって可愛いことが女性にも受けが良かったといいます。

同シートや「ひのとり」のさらなる詳細について、近畿日本鉄道株式会社の広報部の方たちに聞きました。

―座り心地の反響は

「おかげさまで、体験をされたお客様からはぜひ本当に「ひのとり」に乗り「プレミアムシート」に座りたいというお声を頂戴しています。座席そのもののコンフォタブルはもちろんですが、プレミアム車両は通常より72cm高い構造を採用しています。高いアイポイントとガラスの窓の下部がひざ下に来ることで、広々とした開放感あふれる眺望を楽しんでいただけます。またカーブなどの揺れが生じても電動のアクチュエータ(駆動装置)が揺れを打ち消し、すばやく平衡状態に近づける『アクティブ・サスペンション』を使用。ストレスの少ない座り心地を感じていただけると思います」

―「ひのとり」のネーミングの由来、車体をなぜ「赤」にしたのか、さらには透明感のあるメタリックレッドの塗装技術にもネットでは関心が寄せられているようです

「火の鳥とは金色の羽を広げた美しい鳥、炎をまとい光り輝いている鳥と言われており、これをもとに「ひ」という言葉が「赤色」を連想させ、車体のメタリックレッドに合致します。翼を広げて飛翔する特急、というイメージを持たせました」

「新型特急にふさわしく、先進的でスピード感のある色であり、力強さ、華やかさを表現する赤になっていると思います」

「車体はメタリック層とクリア層の二層塗装になっています。前者は約3回の重ね塗り、後者は2回の重ね塗りで、計5層の重ね塗りによりあの透明感のあるメタリックレッドを表現しています」

―デビュー後の走行予定はどのようになりそうですか

「現在、特急は各時0分と30分発の2本が、大阪難波駅からと近鉄名古屋駅から出発しています。0分発は停車駅が少なめの特急で、従来「アーバンライナー」がほぼこの枠を走行してきました。この0分発に「ひのとり」が来て、30分発に「アーバンライナー」が走行、と現時点では想定しています」

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