およそ50分で計4度救出を試みたが、その度に猫は3塁方面に逃げて保護には至らず。40~50mの“綱渡り”で、最終的には3塁側スタンドの外周ネット上に移動してしまった。駆け付けた消防署員にとっても一歩間違えば命を落としかねない危険な任務。練習中のボールが飛んでいく恐れの少ない場所に行ったこともあって、昼過ぎで消防署員は撤退。猫は地上20mの高さにとどまることになってしまった。
猫は一夜明けた9日朝になっても同じ場所にい続けている模様。球場奥の狭い場所に移動してしまったことで救出を要請しようにも、はしご車が入るスペースもない。同日朝現在、打つ手がない状態に球場関係者は頭を抱えている。
【追記】
9日昼になって球団からの相談を受けた球場側が消防署に再度出動を要請。13時ごろに3名の消防署員が到着した。球場内には、はしご車のスペースがなく、隣の東部処理センターに使用許可を得て同センターの敷地内からはしご車をかけて救出にあたった。
ちょうどランチタイムだったこともあり、西村監督をはじめ選手、関係者やスタンドの観客が注目する中で再び救出劇がスタート。はしご車で支柱上部に達した署員が、一度は捕獲網で猫を保護した。
ところが驚いた猫が暴れ、かなり高いところで網から飛び出して落下。スタンドからは悲鳴も上がった。それでも防球ネットや木にぶつかったことが功を奏し、衝撃は少なかったようで、地面に落ちた猫はとどまることなく逃走。現場にいた球場職員の木村卓司さんは「ケガはしちゅう(してる)かもしれませんが、走って行ったのでホッとしました」と振り返る。前日の午前中から続いた大救出劇は、翌日14時にようやくひと段落となった。