排水溝の奥から助け出された子猫、猫好き夫婦のもとで幸せに暮らす

渡辺 陽 渡辺 陽

排水溝の奥からニャーニャーと鳴いて助けを呼んでいた子猫。母猫が助けに来ていたが、子猫のいる場所がどこなのか分からず、分かったとしても入っていけないほど細い配管の奥にいた。雨が降り出す前に助けないと命が危なかった。

 

排水溝から子猫の鳴き声が!

静岡県に住む草ヶ谷さん。2017年8月の夜10時くらい、残業していたご主人から電話がかかってきて、「工場の裏手にあるどぶ川の排水溝から子猫の鳴き声がする。声は聞こえるが、姿が見えず、眼の光が反射するのだけ確認できた。一緒に見てほしい」と言われた。

ご主人は、休憩時間のたびに気になって見に行き、どこから聞こえるのかと思って探すと配管の奥に子猫が1匹いるのを発見したという。

草ヶ谷さんが駆けつけると、近くに母猫が様子を見に来ていて「ああ、助けに来ている」と思ったが、母猫は子猫がどこにいるのか分からないようだった。いずれにせよ、母猫が入れないような細い排水溝だったのでどうしようもなかった。草ヶ谷さんは、ひとまず排水口の入り口付近にキャットフードを置いて、その夜は帰宅した。

ターコイズブルーの瞳の子猫

翌朝、排水溝のところに行くと、キャットフードを食べた形跡はなく、母猫が助けに来た様子もなかった。天気予報では、夕方以降雨が降ることになっていて、水路の水位が上がれば子猫の命が危なかった。「今日中に助けなければならない」とご主人も言った。排水溝は近くのアパートの配管だったので、管理会社に連絡すると来てくれた。しかし、その時に限って子猫はうんともすんとも言わず黙っていた。いるかいないのかも分からず、管理会社の人は帰ってしまった。ただ、配管掃除の専門業者を紹介してくれたので、草ヶ谷さんは、その業者に来てもらい、専用の工具を使って子猫を助けてもらった。

子猫を助けてくれた人は、子猫を捕まえた時に咬まれたようで、「この子、咬みますよ」と言った。眼がターコイズブルーで、すごくきれいな色だった。「大きくなってからもブルーの瞳なんですが、キトンブルーと重なって深みのあるブルーになっていたのかもしれません」

先住猫に可愛がられて

草ヶ谷さんは、排水管からレスキューした後、その足で動物病院に行った。触るのをためらうくらい汚れていて、本来の被毛の色は白なのだが、灰色の猫のように見えた。ノミもついているのが分かった。生後1カ月くらい。1週間は先住猫と隔離するように言われた。翌日、血液検査をしてもらうために動物病院に行ったが、獣医師に聞かれるまでもなく、草ヶ谷さんは、子猫をうちの子にすると決めていた。

最初は警戒してシャーっと言ったが、ごはんをあげるとニャオニャオと嬉しそうに声を出して食べた。「そんなに嬉しいなら」とグラッドという名前にしたそうだ。グラッドくんは、ごはんを食べると、「遊んでほしい」とか「ここから出してほしい」とかアピールするようになった。

先住猫のミーシャちゃんとデュードくんに対面した時は、まるでヤマアラシのように毛を逆立てたが、一週間くらいでなれたようで、グラッドくんが遊んで、遊んでと言うようになった。「私が一週間くらい用事でベトナムに出かけた時は、ミーシャがお母さん猫のようになって、グラッドのグルーミングをしたり、尻尾で遊んであげたりしたそうです。デュードは一緒に寝て上げるし、甘噛みと本気噛みの違いも先住猫がグラッドに教えていました」。本物のお母さん猫とは離れ離れになってしまったが、グラッドくんは、ミーシャちゃんとデュードくんに可愛がられて、幸せな猫ライフを楽しんでいる。

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