大阪湾で地引き網が体験できるって本当? 地元漁協による“漁師料理”も堪能

山本 智行 山本 智行

 大阪湾で地引き網体験ができるのをご存じだろうか。大阪・泉南市の岡田浦漁業協同組合が実施しており、企業の親睦会や子供会などで利用されている。シーズンは3月から11月。すでに来年の予約も埋まり始めている。秋の行楽シーズンも終盤。珍しい地引き網を体験し、海鮮バーベキューや漁師料理を楽しんでみてはいかが。

 地引き網は海の沖合に網を張り、網の両端につけた引き綱を引き、浜辺に引き上げて漁獲するもの。名前は聞いたことがあっても、実際に体験したことがある人は少ないのではないか。

 そんな貴重な体験が何と大阪湾でできるという。場所は関西国際空港を対岸に臨む大阪府泉南市りんくう南浜。JF岡田浦漁業協同組合が15年前から実施している。同組合の田中良尚さんが言う。

 「かなり知名度も上がっていて、府内の子供会はもちろん、企業や労働組合の懇親会、家族連れに利用してもらっています。平日もやっていますが、多いのは週末。1日2回実施しており、人気のシーズンはゴールデンウイーク明けから7月にかけて。期間は11月後半で終わりなので、いまならギリギリ間に合いそうですよ」

 特徴は250メートルの地引き網を参加者で引っ張り、捕れた魚を巨大水槽に泳がせ、ふれあうことができる。その後はバーベキューを楽しみ、組合側が用意してくれたあなごの天ぷら、タコ飯、焼きそば、味噌汁などの漁師料理を堪能するという流れだ。

 会場は砂浜と石浜の2カ所。1団体50人から受け付けており、300人を超える場合は相談に応じるそう。気になる料金は大人(中学生以上)5600円、小人(小学生)3600円(税込)、幼児(3歳~6歳)1100円(いずれも税込)、2歳以下の幼児は無料。飲み放題(ビール、チューハイ、ソフトドリンクなど)もついており、大人1600円、小学生~19歳が500円(いずれも税込)。うれしいことに飲食物は持ち込み可となっている。

 訪れた日は一般社団法人BMS(大阪市)が主催した障がい者の団体が参加。これまでに須磨水族館や甲子園キッザニアでも障がい者とその家族を招待するイベントを開催しており、介助者の一人は「大阪湾で地引き網を体験できるとは思いもよりませんでした。みんなが力を合わせて、ひとつのことをやるのはすばらしいこと」と感謝感激。水槽で泳ぐイズミダコを手づかみし、喜んでいた少年の笑顔が印象的だった。

 田中さんは「大阪湾では結構いろいろな魚が取れるので、魚の名前を知ってほしい。地引き網はみんなで力を合わせて網を引くことで仲間意識も生まれますし、魚を食べる食育につながればいいですね」と話す。

 大阪湾での地引き網体験。様々なシーンに役立ちそうだが、大阪湾がこんなきれいな海だったとは思いもよらなかった。

◇JF岡田浦漁業協同組合(大阪府泉南市りんくう南浜)電話072(484)2121

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