海に転落しレスキューされた子猫、一命を取り留め猫好き家族のもとへ

渡辺 陽 渡辺 陽

 真夏の兵庫・淡路島、猫風邪をひいて、両眼がグシュグシュの状態で歩いていた子猫が突然海に落ちた。そのまま誰にも発見されなかったら亡くなっていたかもしれないが、運良く子猫は釣り人に助けられた。

 海に転落した一匹の子猫

 大阪に住む杉本さんは、姪のななさんがレスキューしたキジトラの猫、メメちゃんを飼っている。

  2017年8月のお盆前、ななさんは、淡路島の仮屋漁港で釣りをしていた。漁港には、いつも数引きの野良猫がいて、時には、車に轢かれた猫もいたという。メメちゃんは、他の猫と関わる様子もなく、たった1匹でフラフラと歩いていた。ななさんは、なんとなく心配でメメちゃんを見ていたのだが、中年の男性に近づいていって邪険に扱われ、その後、海に落ちてしまった。一瞬の出来事。

  ななさんは、とっさに機転を利かせて、釣り用の網を使って子猫をすくい上げた。速やかにレスキューできたので、子猫は一命を取り留めることができたという。

 何度か子猫を見に行くうちに、愛情がわいてきた子供たち

 子猫をレスキューしたものの、ななさんはうさぎを飼っていたこともあり、自分では猫を飼えなかった。ひとまず、おじさんの家で子猫を保護することになったそうだ。名前は、仮屋漁港でレスキューされたので、カリヤと名付けられた。生後2カ月ぐらいの子猫だった。

 

 「フレンドリーな性格で、最初から姪の肩に乗ってきたり、寝付くまでそばに居てあげたりすると安心して眠っていたそうです」

 

 杉本さんは、子供の頃、野良の子猫を何度か拾って帰ったことがあるほどの猫好き。しかし、上のお子さんが、あまり猫が好きではなく、加えて、アトピー性皮膚炎でアレルギー検査をした時に、猫アレルギーにも反応した。

 

 「最初は猫を飼おうと思っていなかったのですが、子供達が兄の家にカリヤを何度か見に行って、そうこうするうちにだんだん愛着がわいてきたようなんです。上の子の猫アレルギーも特に問題ないようなので、家族として迎えることにしました」

 

2016年8月末、カリヤちゃんは、杉本家にやってきた

  杉本さんのお嬢さんは、台湾に留学するため中国語を勉強していたので、カリヤちゃん改め、中国語で「妹」という意味のメイメイという名前をつけたという。いつしか、呼びやすいので、みんながメメと呼ぶようになった。

  台湾に留学したお嬢さんは、インスタグラムでメメちゃんの様子を見るのをとても楽しみにしている。

  メメちゃん(元カリヤちゃん)は、とても芸達者で、特に教えたわけでもないのに、ごほうびにカリカリ(キャットフード)を与えると、お手やハイタッチをするようになった。いまは、杉本さんが2匹目に迎えた保護猫、ミルちゃんと姉妹猫のように暮らしている。

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