なぜここに?“海を見つめる”刻印「1963-3」の謎

金井 かおる 金井 かおる
刻印はJR須磨駅と須磨海岸の境界線に存在=24日午前、神戸市須磨区
刻印はJR須磨駅と須磨海岸の境界線に存在=24日午前、神戸市須磨区

 神戸・須磨海岸。最寄りのJR須磨駅改札から砂浜に向かう途中の歩道で、「1963-3」の刻印を見つけました。西暦っぽいこれは? 調べてみると、ここにしかない“レアな刻印”ということがわかったのです。

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 須磨海岸の所在地、神戸市に聞けば何か分かるかも。神戸市みなと総局海岸防災部に問い合わせると「市のものではないですね」。神戸市が管理する区域は、遊歩道から海側エリアとのこと。「JRの敷地のようです」(市の担当者)。

 須磨駅を管轄するJR西日本(大阪市)に尋ねると、「間違いなく弊社の敷地です」。

 刻印の正式名も社内での呼び名もなく、これまで話題になったこともないとのこと。誰がいつ何のために刻んだのか「ちょっとお時間をください」。

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 数日後。近畿統括本部広報担当者から「アスファルトの工事を行った施工年月のようです」と回答が。ただし、正確な資料までは探し出せなかったとのこと。そのかわり、社内の工事部門を担当する生き字引的な“古株”の社員さんによると「1963年は須磨駅の橋上化工事が行われた年」。その際に刻まれたのではないか、とのことでした。

 ビルなどの建築物に埋め込まれる「定礎」板のように、工事を行った年月をコンクリートに直接刻んだのではないかとの仮説が立てられました。“刻み主”は、旧国鉄時代の社員なのか、施工業者なのか。今となってはわからないそうです。

 須磨駅の敷地内にある刻印はこの1カ所だけ。「パネルや化粧板などで加工していたら、取り外されたり隠れたりして、今まで残っていなかったかもしれませんね」

 同様の刻印は神戸線内の他の駅にも「見たことはないです」。 

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