現在、合計260歳!ジャズバンド「ゴールデン・シニア・トリオ」が今月27日のライブで有終の美を飾る。生涯青春を掲げて活動を続けてきたが、元気なうちに解散することを決意した。2015年には世界最高齢のバンドとしてギネスにも認定。この記録はジャンルを限らず、あらゆる音楽の最高齢バンドで、少なくとも1枚のアルバムを発売し、過去5年間に45分以上のコンサートを20回以上行っているプロフェッショナルが条件というから、まさに現役バリバリだ。
ゴールデン・シニア・トリオは長年にわたって関西ジャズ界を牽引してきた鍋島直昶(93歳・ビブラフォン)、大塚善章(85歳・ピアノ)、宮本直介(82歳・ベース)の3人が2008年に結成したジャズトリオ。
2016年にはG7の晩餐会でも演奏したほか、日本メンズファッション協会が「いきいきと楽しく、かっこよく、魅力ある人生を送る人」に贈るグッドエイジャー賞も受賞した。
東京出身の鍋島は4歳の頃からバイオリンを始め、やがてジャズに傾倒。独学でピアノを学び、ドラマーとしてプロになったが、仙台の米軍キャンプでビブラフォン奏者のエミリオ・リチャーズと出会い、2年間師事。自身のバンドで各地の米軍キャンプを回りながら関西に居を構えた。
ピアノの大塚善章は大阪府立高津高校2年の時に、機会を得て校歌を作曲。これが作品第1号となる。関西大学在学中にジャズ演奏を始め、1959年にアルトサックスの古谷充と「THE FRESHMEN」を結成。以降も多彩な音楽活動を展開する。
そして、関西学院大学在学中から若手NO.1ベーシストとして活躍した宮本直介は、ジョージ川口・ビッグフォア・プラスワンに抜擢される。演奏活動のみならず、ニューヨーク・ブルーノートの日本フランチャイズを実現させるなど、プロデューサーとしても活躍した。
大阪のエルセラーンホールで開催される解散ライブはすでにチケットが完売している。そこでコンサートの実行委員会は、日本が誇る輝かしいジャズミュージシャンの演奏を後世に残そうと、ギネス受賞後に収録した音源と解散ライブの演奏を含むトリビュートCDの制作を企画。
現在その資金をクラウドファンディングで集めている。支援者には完成したCDのほか出資額によって様々なリターン(返礼)が付く。
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