まるでバンコクの路地裏 話題の「タイの屋台料理」で実食してみた

山本 智行 山本 智行

 大阪で本格的なタイの屋台料理が食べられると話題になっている。東京で行列の絶えない人気店「タイ屋台999(カオカオカオ)」が関西初進出したもので、梅田店ではタイの国民食「ムーガタ」を勝負の新メニューとして提供している。場所は大阪・お初天神裏参道。日本ではあまり知られていないタイ屋台の名物料理を、あえて激戦区で普及させようとする野心的な試みだ。

 まるでバンコクの路地裏に迷い込んだかのようだ。なるほど、外観から店内の至る所まで「MADE IN THAILAND100%」をスローガンに現地の屋台を忠実に再現しているだけのことはある。9月末にオープンしたばかりの「梅田店」も派手な色使いの看板からテーブル、イス、食器、果てはトイレの案内表示板までタイから取り寄せているというから芸が細かい。

 すでに「タイ屋台999」は新宿、二子玉川など東京に4店舗を構え、行列の絶えない人気店として知られる。支持される理由は外観や内装はもちろんのこと、本場の味を本場の雰囲気そのままに堪能できる点だ。

 オーナーの新井勇佑さんは飲食の世界に入る前は心理学を研究。開業直前には365日食べ歩きをして、はやる店の傾向を徹底的に分析。「いきなりステーキなんかもそう。意外な業態の組み合わせがはやる。タイ料理とレストランではなく、タイ料理と大衆居酒屋だと絶対いける」と確信したそう。

 実際に、その狙いはズバリ的中。数ある東京のタイ料理店の中で「タイ屋台999新宿店」が坪単価(1カ月あたり)120万円で1位になったことで証明された。一般的に平均坪単価が30万円を超えると繁盛店と言われるだけに、その人気ぶりが分かろうというものだ。

 そんな人気店が大阪初進出に合わせ、他店舗に先駆け「ムーガタ」を看板メニューに据えた。ムーガタは、日本でジンギスカン鍋を食べたタイ人が考案したそうで、鍋と焼肉を同時に楽しめるのが特徴。いまやタイでは国民的な人気を誇る。だが、日本ではトムヤムクンやカオマンガイ、グリーンカレーほど定着しておらず、それどころか過去には数々の人気店が普及に失敗してきた。

 しかし、新井オーナーらは「いままではムーガタの“シーン”を提供できてなかったことが普及できなかった大きな要因」と分析。特製の鍋も現地で調達し、薬味などすべて本場を再現。13種類の野菜とハーブもビュッフェスタイルにした。

 飲み物も、ここだけしか飲めないシンハービールの生やパクチーがどっさり入ったハイボールなど50種類と豊富。それが食べ放題、飲み放題で提供されるのが人気の理由のようだ。女性客に聞くと、こんな答えが返った来た。

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