静岡県浜松市の車道にコンクリートの塊を置いて車の通行を妨害したとして、中学1年の長男(12)とともに同市に住む無職の40代男が往来妨害容疑で25日に逮捕されたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は26日、当サイトの取材に対し、その巧妙な手口とともに、現場近くで起きている不審火との関連性を指摘した。
逮捕容疑は、8月20日未明、男と長男が浜松市の市道に円筒状のコンクリートを2個置き、車の通行を妨害した疑い。その後に女性が運転する車がコンクリートに乗り上げたが、けがはなかった。男は容疑を否認しているという。
昨年8月から、同市や隣接する湖西市で同様の事件が20数件発生しており、県警捜査一課が捜査していた。その過程で、現場から自転車で立ち去る親子連れの目撃情報や防犯カメラの映像が確認され、男の存在が浮上した。12歳の長男は今後、児童相談所への通告を検討するという。
小川氏は「坂を登り切った所やカーブの分かれ目など、見えにくいところに、しかも、道路の端などではなく、タイヤが踏むような位置を計算して障害物を置いていたようです。逮捕容疑となった事件でのコンクリートブロックは付近から調達したもの」と手口を説明した。
また、同氏は「4月には同市内の道路に直径約30センチのコンクリートブロックが置かれ、乗り上げた車が土手から川に転落する事故が起きています。いずれも運転手にけがはなかったため、往来妨害罪となっていますが、非常に悪質な行為です」と付け加えた。
さらに、小川氏は「置き石は昨年10月から25件発生しており、今年5月から7月にかけて、浜松市内でビニールハウスなどで不審火が9件発生しています。そのうち2件は置き石のあった場所のすぐ近くで、発生時間も近かった、私は当時の現場に行きましたが、200メートルしか離れていない場所だった」と指摘。「警察では逮捕した一連の置き石などによる往来妨害と不審火の関連性を調べています」と、さらなる余罪の可能性も指摘した。