羽柴秀吉軍と明智光秀軍が激突した「山崎合戦」を再現するペーパークラフトが、乙訓地域の市民の協力で7月に発売された。当時の地形図を再現した台紙に両軍合わせて300ピース以上の軍勢を並べる作品で、覇権を争って雌雄を決した戦いがリアルに表現されている。
乙訓地域の教員でつくる「京都乙訓ふるさと歴史研究会」が、武将の戦略や合戦の様子をイメージできる教材づくりとして企画した。全国の城や合戦のペーパークラフトを企画・販売する「ファセット」(岐阜県各務原市)へ提案し、販売が始まった。
作品は、江戸時代後期に描かれた「山崎合戦図屏風(びょうぶ)」を中心に、研究会長・中西昌史さん(54)=京都市西京区=が提供した絵図などの資料を活用して制作された。A4判の大きさの地形図には、小泉川と天王山に挟まれた隘路(あいろ)や屈曲した街道などが詳細に描かれている。秀吉と光秀のほか、石田三成や丹羽長秀ら武将と兵士のこまは約1~2センチで計330ピースあり、それぞれを配置して合戦を再現する。
1080円。ファセットのホームページから購入できる。
研究会長の中西さんは「京都盆地を守ろうとした光秀と、天下取りに踏み出した秀吉の対決。その雰囲気や戦略を、リアルに感じられる機会になればうれしい」と話す。