忍者に変身する“くノ一猫” 伊賀流忍者発祥の地で活躍中

うちの福招きねこ〜西日本編〜

西松 宏 西松 宏

 やんちゃ坊主の利休は紺色、姉御肌でマイペースの茶々は赤色の忍者衣装を着て、2匹で仲良くお客さんの前でポーズをとっていたのですが、16年3月、利休が不慮の事故で亡くなってしまって…。私も妻もしばらくはショックで立ち上がれませんでした。茶々は「(利休は)どこいったんやろ?」といった感じで、しばらくの間、寂しそうにしていたのを覚えています。

 茶々はふだんは店内で寝るなどしてのんびり過ごしていますが、お客さんのリクエストがあると忍者衣装に変身します。ストレスにならないよう常に気をつけていて、衣装を着るのは記念撮影をするときだけです。特に外国人観光客の方々は、くノ一姿の茶々を見るとテンションあがりますね。茶々はまるでこれが自分の仕事だとわきまえているかのようで、嫌がるそぶりもみせず、きっちりとポーズをとっています。

 亡くなった私の祖父・宗吉(享年85)は、幼少のころ、忍者の子孫に忍びの技を仕込まれ、忍術学校を開いていたんです。店内の一角にはそんな祖父を偲んで、愛用していた忍者の道具や資料などを展示しています。私も忍者の末裔なので、たまに忍者に扮しては、忍者の歴史や文化などを観光客の方々に伝えています。茶々も一緒にその務めを果たしてくれているのがとても嬉しいです。亡くなった利休の分まで長生きして、これからも忍者の里を訪れる人たちを喜ばせてほしいです。

【店名】むらい萬香園
【住所】三重県伊賀市上野小玉町3130
【電話】0595-21-1173

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