寿司ネタに果物ってありかも! 採算度外視「フルーツ寿し」で和歌山の果物をアピールする寿司屋

國松 珠実 國松 珠実

 和歌山県といえば白浜のアドベンチャーワールドや世界遺産の熊野古道など観光に事欠かないが、季節は食欲の秋。県北部にあるフルーツ王国・紀の川市で、人気急上昇中なのが名物「フルーツ寿し」だ。紀の川市粉河(こかわ)町の「力(ちから)寿し」では、彩り豊かな旬の果物を使ったフルーツ寿しを提供している。ここでしかお目にかかれない、人気のご当地グルメだ。

 さまざまな季節の果物を使った寿司の中で、ご紹介するのは「フルーツ寿し5貫セット」(700円・税抜)。季節の果物を使うため時期によって内容が変わる。秋のラインナップは「いちじくとバターの握り」、「サーモンと梨のあぶり握り」、「いちじくと大葉の細巻き」、「葡萄の軍艦巻き」、「メロンと生ハムの握り」だ。

 「いちじくとバターの握り」は、仕上げのブラックペッパーが洋風感を醸し出す。さて、上にのったバターが少し溶ける程度にあぶった握りを一口。存在感のあるいちじくがジュワッと溶け、あぶりの香ばしさが鼻腔をくすぐる。「サーモンと梨のあぶり握り」は梨のシャリシャリした食感と、サーモンのねっとり感が新鮮。「いちじくと大葉の細巻き」は大葉がみずみずしいいちじくをくるみ、シャリと一体になって口の中でほどよく混ざる。意外に、といったら失礼だがちょうどよい味加減に仕上がっている。

 実は筆者が一番気に入ったのは「葡萄の軍艦巻き」。塩味の効いたイクラが添えられることで、葡萄の上品な甘味が際立つ。こうなると「メロンと生ハムの握り」の組み合わせが平凡に思えてくる。

 繊細な味を生かすため、醤油などはつけずそのままいただく。1貫からの注文も可能だ。

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