フェンスに鈴なりでアピールするアナグマたち「圧がすご過ぎる」と話題

広畑 千春 広畑 千春

 期待を込めて、じっとこちらを見つめる目、目、目…。その視線にあなたは耐えられるだろうか―。といっても、その主は人間ではなく、岩手県の盛岡市動物公園のアナグマ(ニホンアナグマ)たち。飼育員の気配を察するや否や、まだエサの時間まで1時間以上あるのにフェンスによじ登り、体を寄せ合い無言で訴えかけてくる動画がSNS上で「かわいすぎる」と話題を呼んでいる。

 同公園は小高い丘陵地にあり、自然を生かした約37.2ヘクタールの敷地内には小川や芝生広場、林もあり、日本の動物やゾウ、カンガルーなど約100種約700点の動物を飼育している。

 ニホンアナグマは、本州・四国・九州の森林地帯に生息するイタチ科の動物で、鋭い爪のある前脚で地面を掘り、地中に巣を作る。雑食性で「同じ穴の狢(むじな)」の狢はアナグマを指す地域も多く、性格は温厚で、エサに夢中になっていると人間が近づいても気付かないこともあるらしい。九州では害獣とされる地域もあるが、開発で生息数が減っている地域も少なくない。

 …と、うんちくはこれぐらいにして、今回、動画を撮影したのは同公園のスタッフ。どうやら野生のアナグマは木登りが得意ではないようだが、飼育係兼広報の松村亜裕子さんによると、この猛烈なアピールの始まりは5年ほど前にさかのぼるという。

 松村さん「当時いたオス2頭とメス2頭のうち、オスだけが登り始めたんです。メスの方は『何やってんだろう』ぐらいに冷めた感じだったんですが、いつの間にか一緒に登るようになって…。その後生まれた子どもや保護したアナグマも次々に登るようになり、9頭という大所帯になった1、2年前からは鈴なりになってしまいました笑」

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