アーティスト・木村了子が描く「イケメン画」、日本画の技法で描くセクシーな仏画とは?

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 美人画というジャンルはあるが、「イケメン画」を確立したのは彼女が初めてではないだろうか。日本画の技法でアイドル風のイケメン、しかもヌードやセクシーポーズをあられも、いや、惜しげもなく描くアーティスト・木村了子。その作品が、「泉涌寺」(京都市東山区)で9月16日まで展示されている。

 オンナの夢と妄想を、微に入り細に入る描写であらわすその画風は、あくまで美しく爽やか。見ていると、女子のこじれた欲望も浄化されるようだ。「癒やされる・・・」とハマる人が続出するのもうなずける。

皇室ゆかりの御寺に、イケメン仏画が降臨

 「泉涌寺」で開催中のアートイベント『未景』に出品された作品は『蓮池寝仏図』。「これを展示している部屋は、御所から移築されたもので、江戸時代に描かれた襖絵は、女性がいっぱいいる後宮図(ハーレム)。この絵のなかの女性たちを、ざわめかせてみたい、と思いました」と木村は話す。

 意気込みどおり、裸身に白い布1枚を巻きつけただけのセクシー寝仏には、襖の女性だけでなく、絵のなかの蓮の花までが全開になって萌えているようだ。実はセクシー仏画、男性にも好評とのこと。「ふだん描いているチャラいイケメンのヌードに、男性は抵抗を感じるようですが、仏様は普段からヌードだから(笑)受け入れやすいみたいですね」。 あまねく衆生にとってセクシーさは癒やし、救い、そして生きる喜び。それを仏様のイメージと重ねる木村了子の現代の仏画は、ありがたさにグッとくる。思わず合掌だ。『未景』展では、秋山陽、イチハラヒロコ、橋口新一郎ほか26名の作家の作品を展示する。

新潟の古刹に、イケメン偉人とセクシー仏の壁画

 その木村了子が、2019年4月に古刹・国上寺(新潟県燕市)の壁画を制作し、話題騒然となった。もちろん描いたのはイケメン。寺とかかわりのある5人の偉人たち、上杉謙信、良寛、酒呑童子、源義経、武蔵坊弁慶をキャラクター化し、本堂の壁全体に仲睦まじく戯れさせた。良寛の膝枕に甘える酒呑童子、肩を寄せ合う義経と上杉謙信、とどめが全員集合の入浴シーン。5人のキャラのイケメンぶりに胸キュン、BL的イマジネーションをくすぐる構図に、胸ドキュンだ。

 静かな山寺を揺るがせる、このセクシー壁画。当然、物議を醸してもいるが、寺の壁画や襖絵は、描かれた時代の最先端の美術で飾られてきたものだ。寺ゆかりの5人のメンズが、時空を超えて絵の中で熱く縁を結ぶイケメン絵巻は、そんな寺にこそふさわしい。令和の仏教美術として、後世に誇りたいと思う。

イケメン画、神戸にも! 胸キュンな「俺の部屋」

 泉涌寺でのイケメン仏画に出合えなかった人に、朗報が。9月27日から29日までおこなわれる『KOBE ART MARCHE 2019』に、木村了子が参加。こちらにも作品『蓮池寝仏図』が出品される予定だ。このアートフェアは「神戸メリケンパークオリエンタルホテル」(神戸市中央区)を会場に個展形式で展示されるが、木村の今回のコンセプトは「俺の部屋」。イケメンづくしの、胸キュン部屋が出現するはずだ。

木村了子 http://ryokokimura.com/

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