キャラ大渋滞でも使うシカない?奈良の鹿キャラが想像を絶する多さ…現地で調べてみた

鹿谷 亜希子 鹿谷 亜希子

 筆者が調べたところ、1980年代以降、当初から期間限定だったものや活動を停止したものも含め、30以上の鹿キャラが確認できた。すでに「任期満了」の鹿キャラたちは、ただ忘れ去られてしまったのだろうか。奈良在住歴の長いある男性は、「『ことちゃん』のぬいぐるみならあります」と、平成7年(1995)に奈良で行われた全国スポーツ・レクリエーション祭のマスコットキャラクターのぬいぐるみを見せてくれた。奈良県出身の漫画家で『少年アシベ』の作者、森下裕美氏が作者だという「ことちゃん」は、「ゴマちゃん」を彷彿させる顔立ち。右の眉毛が取れ24年の歳月を感じさせるレアものだったが、個人の家庭の中で健在だった。

 最後に思わぬ情報が入ってきた。なら・シルクロード博の公式マスコット、「ナナちゃん(鹿)ララちゃん(ラクダ)」(2頭合わせて「ナラ」)の看板が、奈良市鴻ノ池運動公園にあるはずだという。情報をもとに探してみると、野球場の入口の丸太を組み合わせたボードの裏に、31年前の1988(昭和63)年に682万人もの人を集めた博覧会の看板が残っていた。当時はマグカップやテレフォンカード、筆記具、タオル、Tシャツ等々のグッズも作られた人気マスコットだったようだ。会場ではなかった運動公園にどのような経緯でこの看板が運ばれ、今も再利用されているのかはわからなかったが、マスコットキャラクターを作ることで、それぞれのイベントがより強く人々の記憶に刻まれるのではないだろうか。

 たかが鹿キャラ、されど鹿キャラ。野生の鹿が「神鹿」と名付けられ、やがて奈良名物となり、天然記念物として指定され、現代に様々なマスコットキャラクターが生み出された。すでに消えてしまった数多くの鹿キャラ、今後登場する未来の鹿キャラに思いを巡らせて、秋の奈良で鹿キャラ探しを楽しんでみてはいかがだろうか。

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