白い車を道路に停めて凄みをきかせながら歩いてくる男と、傍らでその様子をガラケーで撮影している女。そして「あおり ダメ 絶対」の文字。これはどこかで見たことがある場面だ。愛媛県在住の中学2年の男子生徒が夏休みの宿題で描いた交通安全ポスターがSNS上で話題になっている。
「必死で書きよるな思って見たらこれは」と26日に弟の作品を兄のぽーちさん(@kureyonbooti)がツイッターに投稿すると、11万のリツイート、33万のいいねを集めた。
「時事ネタを盛り込むとは天才!」
「金賞!今すぐプリントして全国に配布!」
「子供らしい絵のタッチながら、すごくストレートに伝わるし、ポスターにして全国の警察署と高速道路に掲示して欲しい」
茨城県守谷市の常磐自動車道で起きたあおり運転殴打事件で、容疑者の男と同乗していた交際相手の女が茨城県警に逮捕された。被害男性の車を停車させ、顔面を5発も強打した凶暴な事件だった。被害者のドライブレコーダーに、犯行の一部始終が録画されていたことで、各局のニュースやワイドショーで繰り返し放送された。そしてドライブレコーダーの映像で驚いたのは何も大人だけではなかった。
学校へ提出する前に弟のポスターをツイッターに投稿した兄は「ポスターはほぼ一日掛けてゆっくり書いていました。まず発想がすごいなと思いました」と驚いていた。さらに弟が茨城で起きた事件を題材にしようと思った理由について、「インパクトが強くひと目見れば分かると言うようなポスターを描きたいと考え描いたそうです。弟はテレビでドライブレコーダーの映像を見て、昔あおり運転の事故で人が死んでしまう事故があったのに、まだこんなことをする人がいるんだと言っていました」と話した。
さらにポスターには細かい描写も。「ナンバープレートは、本当のナンバーを書いてはいけないと考えていたところ名前がちょうど数字で表せることに気づきこれにしたそうです」と容疑者の名前を数字で表していた。
本来、大人は子どもの見本にならなければならない存在だ。それなのになくならないあおり運転、中学2年生が描いた「あおり ダメ 絶対」のポスターは大人への強烈なメッセージとなった。