旧六甲山ホテルに蘇った大階段 2025年にグランドオープンし一大リゾート施設に

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 2015年に閉館した旧「六甲山ホテル」の旧館が修復を経て、「六甲山サイレンスリゾート」(神戸市灘区)として復活。開業前より注目を集めた本施設は、2025年の全面開業に向けて段階的にオープンするという。

 約2年の修復工事を経て、7月にカフェとグリルレストランがオープン。修復された旧館に足を踏み入れると、立派な大階段に迎えられる。取材時に出会った旧ホテル時代を知る60代の夫婦は、「前と雰囲気が変わった感じ。入口の階段はなかったように思う」と口にしたが、それもそのはず。以前は最上段の高さに板が貼られて階段は隠れ、入口の重厚な扉も塗りこめられていたという。

 この隠された大階段は、修復を手がけたイタリア人建築家のミケーレ・デ・ルッキ氏が工事開始後に発見。計画を急きょ変更し、出現した大階段を活かすことにしたという。また、梁や柱、壁もオリジナルで、開業当時の美しさを再現した。

 「六甲山ホテル時代の後半、この旧館はほとんど使われていませんでした。それではもったいない、まずはここを活かそう、開業当時の美しさを再現しようというコンセプトで修復をおこないました」と広報担当の山田美知世さん。現在は、カフェとグリルレストランのみの営業だが、当リゾートの面積は東京ドーム6個分。2020年には敷地内の湖のほとりにレストランが、2021年には宿泊棟が開業する予定で、その後もホールや教会が加わり、2025年の全面オープンを目指す。

 すでにオープンしている旧館2階のカフェで人気なのが、「六甲アップルパイ バニラアイス添え」。旧「六甲山ホテル」の名物だったアップルパイを現代風にアレンジし、甘さは控えめ、リンゴの食感がより楽しめるようになった。アイスクリームも毎朝カフェで手作りし、お客からの評判も良いという。

 段階的にオープンする理由について、広報担当の山田美知世さんは「旧六甲山ホテルはみなさんの関心が高く、修復工事中から写真を撮ったり、ハイキング途中に見に来られる方が多かったんです。できるだけ早く、この場所を還元したいという思いがありました」と話す。

 「サイレンスリゾート」と名のつく本施設だが、大人が静かな時間を過ごすだけの場所ではなく、ハイキング途中のカジュアルな服装や、ペット連れでの入館もOK。キッズルームも備わっている。

 「将来的には、車いすも通れるようなアートの散歩道を作ったり、子どもの野鳥観察イベントを企画したいと思っています。子どももお年寄りも障害のある方も、みんなが楽しめるにぎやかな空間にしたいですね」と山田さん。阪神間からアクセスのよい避暑地に、一大リゾート施設が完成するのが楽しみだ。

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