京都の夏の風物詩、五山送り火が食卓で再現 「送り火とうふ」にしょうゆを掛けてみた

浅井 佳穂 浅井 佳穂
男前豆腐店の「五山の送り火とうふ」のイメージ写真。なかなかこの写真のようにしょうゆを掛けるのは難しい。
男前豆腐店の「五山の送り火とうふ」のイメージ写真。なかなかこの写真のようにしょうゆを掛けるのは難しい。

 しょうゆを掛けると「大文字」など京都の夏の風物詩「五山送り火」が手元で再現できる―。京都の豆腐店が期間限定で発売した商品がインターネット上で話題だ。果たしてそんな手軽に、食卓で送り火気分が味わえるのか。しょうゆを手に豆腐に向き合った。

 ユニークなネーミングの商品を次々と送り出してきた男前豆腐店(京都府南丹市)が、今年初めて13日から16日の限定で発売した「五山の送り火とうふ」だ。

 五山送り火は8月16日夜に行われる京都のお盆の行事。京都盆地を取り囲む山々に「大文字」「妙法」「船形」「左大文字」「鳥居形」の順に点火される。お盆に迎えた先祖の霊が山々の火によってあの世に送られるとされる。

 豆腐は6パックで1セットとなっている。各山1字だが、「妙法」だけは「妙」と「法」と1パックずつに分けられている。

 いざ開封。豆腐はプルンとしており、皿にきれいにのせるのは難しい。つまようじを使いながら皿にあける。ようやく並べることのできた豆腐の上部にはうっすらとしたくぼみがある。ここにうまくしょうゆを流し込めば、送り火が再現できそうだ。

 しょうゆさしを手に豆腐の上に。くぼみはいずれもごくわずかな深さしかなく、しょうゆの量の調節は至難の業だ。一つ目は「左大文字」。掛け過ぎた。二つ目は「鳥居形」。これも多かったようだ。次も…。

 6個の豆腐全てにしょうゆを掛けた。いずれもしょうゆの量が多めでくぼみの周囲に広がってしまったが、豆腐の上に小さな「送り火」が浮かび上がった。

 そしていざ口に。濃厚な豆腐の味が広がる。冷やっとした豆腐の感触が舌に当たり心地いい。

 しかし、どうすればイメージ写真のように豆腐上に送り火を再現できるのか。男前豆腐店の担当者にこつを尋ねた。「本当に少しずつ慎重に1滴ずつしょうゆを掛けてできた写真です。ただ普通にしょうゆをかけても送り火が浮かび上がりますよ」。

 担当者は「京都の風情を感じ涼を取ってもらいたい」と話す。京都市内のスーパーなどで16日まで購入できる。売り上げの一部は送り火の保存や継承に役立てられるという。

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