世界遺産・二条城(京都市中京区)の外堀沿いにある散策路に「ほら貝演奏禁止」と書かれた掲示が取り付けられている。「なぜほら貝?」と近隣住民やインターネット上で話題になっている。
掲示があるのは二条城敷地内北側にある散策路。昨年9月に近所の人から「散策路で土日曜や祝日の朝早くにほら貝を吹く人がいる。迷惑だ」と、城を管理する市元離宮二条城事務所に連絡が入った。他の住民からも苦情があり、同事務所の職員はすぐに散策路の出入り口に「演奏禁止」「大声禁止」と記した掲示をぶら下げた。
ところが「まだほら貝の音が聞こえる」と苦情は止まらなかった。職員は中京署などに相談し「掲示内容を充実させたら」と助言された。「奏者は『禁止』が自分のことだと気付いていないのかも」。翌月、ほら貝の奏者がいたと住民が指摘する散策路東端に「ほら貝禁止」とはっきり書いた掲示をぶら下げたところ、苦情はぴたりと収まった。
出勤前の時間帯なので音を聞いたり奏者を見た事務所職員はおらず実態は謎のままだ。4月に入り会員制交流サイト(SNS)などで掲示が話題に。犬の散歩に散策路を通る近所の女性(21)は「禁止事項がピンポイントすぎる、と母と盛り上がっていた」と笑う。
同事務所の担当者は「経緯を知らない人は『この掲示は何?』と不思議がると思う」とした上で「ほら貝に限らず、近所迷惑な行為はやめてください」と話す。
散策路では小型無人機ドローンを飛ばす人もいて「ドローン禁止」の掲示もある。「ほら貝禁止」は当面、継続する方針だ。