芦屋市の希少な歴史的建造物で、紅茶専門の「ムジカ」が6年ぶりに喫茶店再開

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 関西の紅茶文化をけん引してきた紅茶専門店「Musica TEA」が、休止していた喫茶部門を約6年ぶりに再開。「Tea Saloon Musica」(兵庫県芦屋市)として7月9日にオープンし、各地から紅茶好きが訪れている。

 現在は茶葉販売を中心にするも、もとは喫茶店から出発した同店。2013年に堂島の喫茶スペース(大阪市北区)を閉鎖し芦屋に移転した後も、その志を継げるスペースを探していたという。

 そんななか、今年に入って歴史的建造物「旧宮塚町住宅」(兵庫県芦屋市)への入居を決めた三代目オーナー・堀江勇真さん。「この建物ができたのも、ムジカが始まったのも1952年。願ったりかなったりだと思いました」と、運命的な出会いがきっかけだったと話す。

 石積みの構法で建築され、2017年まで兵庫県芦屋市の市営住宅だった「旧宮塚町住宅」。戦後間もない頃の石造りの公営住宅はめずらしく、同市は希少価値の高さから保存を決めた。ここをリノベーションし、芦屋の市民活躍と地域活性化の拠点にしようというプロジェクトが、芦屋市の男女共同参画推進課を中心に進められていたのだ。

 特に道路に面した1階は、市民の憩いの場となるカフェの入居が望まれていたという。そこで、数ある候補者のなかから、芦屋市精道町で営業していたムジカが移転オープンし、喫茶を再開することとなった。

 メニューは、ムジカ自慢のポットサービスによる紅茶(600円~)のほか、常時4~5種類をそろえたケーキや、7種類のトーストが並ぶ。特に、今回から新メニューに加わったバター&カヤトースト(600円)は、東南アジアでポピュラーなパン用のペースト「カヤ」を使用。ココナツの風味が効いた、濃厚だけどさわやかな甘さは、ミルクティーと相性抜群だ。

 堂島時代からの常連を中心に、休日には入店待ちの列も。1970年代から通っていたという、大阪の60代の女性は「初めてスパイスティーのおいしさを知ったのがムジカ。内装のあちこちに昔の店のオマージュがあって、また素敵な所になりそう」と、喜びの表情を見せていた。

 「祖父の時代のレシピのスコーンなど、昔の人気メニューの復活も考えています。本当においしい紅茶が飲めるお店として、ここから紅茶の魅力を伝えていきたい」と堀江さん。営業は昼11時から夜7時まで(日曜休)。

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