犬猫に手作りごはんのすすめ…お家で作れる!動物の「種」に適した食事のポイント

小宮 みぎわ 小宮 みぎわ

4)野菜はすりつぶすかピューレ状にする

 肉食動物には人間のように食事をよく噛んで食べるという習性がありません。すりつぶすための臼歯も私たちのように発達していません。 獲物となる草食動物の胃腸内に半消化された野菜が残っていることがあり、それを食べるかたちで野菜の栄養分を取得しています。

 犬猫に野菜の栄養を十分に吸収できるようにするためには、野菜の細胞壁を壊してから与える必要があります。野菜はすりつぶすかピューレ状にして与えるのが理想的です。 人の見た目には美味しそうに感じられる野菜ゴロゴロシチューなどのメニューは、 犬猫の胃腸では消化しにくいのです。

5)食材はローテーションする

 家庭で食事を用意する場合、使い慣れた食材に偏ってしまうことがよくあります。しかし、鶏肉に含まれる栄養素と牛肉や魚に含まれる栄養素は異なります。人と同じですが、肉も野菜も同じものを続けて与えずに、ローテーションしないと栄養がかたより、長期的には不足する栄養素が出てきます。

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 上記5点をふまえて、どのようなごはんを用意すればよいか、イメージしやすいように、5kgの犬の1日分の食事の例を示してみます。

・鶏胸肉(皮と脂を半分とる) 80g 

・鶏レバー 10g

・鶏ハツか砂肝 25g    

・骨ごとミンチ肉(骨を3割程度含む)35g

・野菜(人参、ブロッコリー、かぼちゃ、白菜など、ピューレ状かすりつぶす)70g

・オイル(亜麻仁orエゴマorオリーブor魚油など)小さじ1程度

 これを1日2回に分けて与えます。(シニア犬や猫の場合には少量頻回が望ましい)

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 いかがでしょうか?これらは、最初はお鍋に材料を入れて少量の水で蒸し焼きにして、煮汁ごと与えてください。慣れてきたら徐々に火を通す時間を減らしましょう。 それでもしかし、いきなり100%手作りにすることはすこしハードルが高いかもしれませんね。次回の記事では気軽に始められる、新鮮食材を使ったトッピングをご紹介します。

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◆荒木幸子(あらき・ゆきこ)米国LVT・動物看護師・ペット栄養管理士、ヤマザキ動物看護大学講師。米国にてLVT (動物看護師)免許を取得後、犬猫のホリスティックな自然医療や栄養学について学び、2017年に帰国。現在は犬猫の健康的な食事を広めることを目的に「犬猫ホリスティック栄養学の会」を主催し、獣医師などの医療従事者や一般の飼い主向けに、セミナーや勉強会を開いている。

犬猫ホリスティック栄養学の会 https://www.holisticone.net

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