「脱プラスチック」株式市場の影響は…代替品需要が活発化、恩恵を受ける銘柄も

山本 学 山本 学

 大阪市で先月開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議では、国際的に問題になっている海洋プラスチックごみの海洋流出を2050年までゼロを目指すことで合意した。国際的に「脱プラスチック」の方向に道が付けられた形で、今後はいかに代替品や代替素材を使いことなすかが鍵になる。そうなってくると、これまでとは違った需要が発生し、企業の収益にも影響するだろう。では株式市場では、どんな銘柄が恩恵を受けるのだろうか。

 まずは、プラスチックの代替素材の第1候補になっているのが「紙」だ。プラスチック製の食器やストローが相次いで紙に置き換わっている。プラスチックが登場する前に、幅広い用途で活用されていた紙に戻るだけかというかと、そうではない。プラスチック登場前に比べて紙そのものも大きく変化しており、素材としての可能性は広がっている。ペーパーレス化で洋紙事業が苦戦する中、まずは素材メーカーとしての製紙メーカーに再び関心が集まりそうだ。

 たとえば日本製紙(証券コード3863)は、口にくわえたときに感じる「口あたり」にこだわった紙製ストローを発売した。プラスチック製のストローよりも口にくわえたときに温かみがあるうえ、2時間以上連続で使ってもふやけて使えなくなったりしない。国産の安全性も強調する。一方、ストローの老舗である、三井松島ホールディングス(1518)傘下のストロー最大手である日本ストロー(東京都品川区)は、紙製ストローを今秋にも商品化すると伝わった。やはりプラスチックに代わる素材として紙を使い、他の紙ストローよりコストを抑えて高いシェアを奪いたいという。

 このほか包装材一般でもプラスチックから紙に置き換える動きが広がりつつある。そこで注目される銘柄は段ボール最大手のレンゴー(3941)だ。ネット通販の普及で段ボール需要が伸びているだけでなく、発泡スチロールや気泡緩衝材(プチプチのことですね)などから、緩衝材もどんどん段ボールに置き換わっている。同様にザ・パック (3950)、トーモク(3946)など段ボールメーカーは、すでに株価の上昇が目立ってきた。

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