お酒のアテに、料理の一品にと大人気の缶詰を、そのままちっちゃくした「缶詰リング」が、8月にも全国の通称・ガチャガチャマシンで発売されることになりました。そのシュールなビジュアルが「かわいすぎる」「欲しい」とSNS上で大反響を呼んでから、わずか2カ月余り。しかも、本家本元のマルハニチロ(東京都)も公認で、鮭缶とズワイガニ缶に加え、サンマ缶、サバ缶なども仲間入りし6種類にバージョンアップ。ということで、制作した現代美術二等兵のふじわらかつひとさんやメーカーに話を聞きました。
「現代美術二等兵」は大阪出身のふじわらさんと籠谷シェーンさんによるアートユニット。リーゼントに細眉で既に商品化された「ぐれだるま」を始め、「こけしアレー」「手羽先天使」など、思わず笑いを誘う「駄菓子」ならぬ「駄美術」な作品を創作し続けています。缶詰リングはふじわらさんが制作し、今年4月9日にツイッターに投稿したところ、約5万件のリツイートと17万5千件以上の「いいね」が寄せられました。
―それからわずか2カ月余りです。
ふじわらさん「そうなんです。僕の本職はおもちゃなどの原型を作る会社の経営なんですが、かねてからお付き合いのあったカプセルトイ(いわゆるガチャガチャ)メーカーの『いきもん』(東京都)さんから、ツイートが話題になった直後に商品化のお話を頂き、トントン拍子に話が進みまして」
―バリエーションも増えました。
ふじわらさん「最初に作った『さけ』と『べにずわいがに』がマルハニチロさんの商品だったので、せっかくならパロディでなく公認に―とお願いしたところ、『どうぞ』と快諾頂けたんです。ガチャ向けならバリエーションがあった方が良いと、色やデザイン、売り場での認知度から『さばの水煮』『さんま煮付』『さばのカレー煮』『ほたて』を選ばせて頂きました」
―商品化に当たって苦労した点は?
いきもの担当者「元の作品は3Dプリンターと樹脂を使っていましたが、アクセサリーであることと缶詰らしさを考えて、商品では金属を使っています。缶詰の種類が増えたので、指輪の直径は同じでも高さなどが微妙に異なり、調整には時間をかけました。指輪としてもなかなかの完成度になったかと思います。チェーンもついているので、キーホルダーやチャームにもできますよ」