観光地などで定番となっている、いわゆる「顔出しパネル」。人物などのイラストの顔部分だけ穴がくり抜かれていて、そこから顔を出して写真を撮って楽しむ例のアレだ。ところがこれは一体どういうことでしょう。ある学会の会場に設置された顔出しパネルが、顔でもなんでもない「ただの文字」の一部に穴があいているという代物で、「顔出しする必要が感じられない」と話題になっている。神戸の会場に急行した。
6月24日から26日の日程で開催されている「第19回日本蛋白質科学会年会/第71回日本細胞生物学会大会合同年次大会」。会場は神戸・ポートアイランドにある神戸国際会議場と神戸国際展示場である。
会場入口、確かに「蛋白質」「細胞生物」と大書された謎のパネルが鎮座していた。妙な穴があいているのを別にすれば、ものすごく立派な字だ。隣には「#蛋白質科学会」「#細胞生物学会」とハッシュタグをつけてTwitterやInstagramに投稿するよう呼びかけるパネルもある。
現地にいた大会の関係者に話を聞くことができた。
ーこれはどういう意図で作ったのですか?
「穴があいていないバージョンの告知ポスターをよく見てください。2人の顔が小さく描かれていますね。何を隠そう、これが今回の大会長、城宜嗣先生(兵庫県立大学)と遠藤斗志也先生(京都産業大学)なのです」
ーその2人の顔があった部分に穴をあけたということですね。なるほど、意図がわかったようで正直全然わかりません!
「大会には若手の方もたくさん参加しておられます。SNSなどを通じて少しでも注目されれば、ということで拡散を呼びかけました」
ー撮影を楽しんでいる人はいましたか?
「めっちゃ撮ってましたよ。今大会のTwitterアカウントを見てください。城先生と遠藤先生が顔を出している写真も投稿されています」
ーな、なんて楽しそうなんだ…。
みなさんも蛋白質や細胞生物の研究者になって、謎の顔出しパネルで写真を撮ってみませんか。