えっ、はしごがストールに?「服はもっと自由でいい」ベルリン在住デザイナーの思い

広畑 千春 広畑 千春

 -2014年からはベルリンを拠点に活動されています。

 「好きなデザイナーがたまたま、ベルリンに多かったというのが理由なんですが…。でも、ベルリンって、戦争の空襲や爆撃で街が破壊されてしまって作り直しているので、日本の地方都市に少し雰囲気が似ているんです。ファッションの世界ではロンドンやパリなどと違い、全く歴史がないので、逆にルールにとらわれることも少ない。家賃も安いのでクリエーターも住みやすく、流行や採算性に追われることなく、ゆっくりと創作に集中できる。手作りやいわゆる『ヘタうま』など創作の幅が広いのも魅力ですね」

 -濱田さんの作品は、主婦層にも広く支持されています。

 「服を作っていて思うのは、手芸好きの主婦から、最先端のデザイナーまで、やりたいことは結局『服の面白さ』を伝えたいことで、一緒じゃないかな、と。そういう意味では同じだと思うんです。でもトップデザイナーの人の服だと着られるのは一流モデルだけで人を選んでしまう。でも私は、万人に伝えたい。ファッションというと、どうしてもトレンドやスカート、パンツ、シャツなど『枠』にとらわれがちだけれど、もっとこんな遊びがあっていいんだ、と視点を変えるきっかけになれたらな、と思いますね」

 アートと日常の服の間にあって、それぞれの魅力を放ちつつも、自然に身にまとえる濱田さんの服。「THERIACA 服のかたち/体のかたち」は23日まで、神戸市中央区のデザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)で。http://kiito.jp/

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