富田林脱走犯 警察庁の報奨金が見送られた背景…府警にOBが懸賞金

小川 泰平 小川 泰平
近鉄富田林駅近くの掲示板に張られた樋田淳也容疑者の顔写真入りチラシ=8月14日撮影(提供・共同通信社)
近鉄富田林駅近くの掲示板に張られた樋田淳也容疑者の顔写真入りチラシ=8月14日撮影(提供・共同通信社)

 大阪府警富田林署から8月12日に脱走した樋田淳也容疑者(30)について、府警が情報提供者に上限200万円の懸賞金を支払うと発表したことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は12日、デイリースポーツの取材に対し、その背景や警察側の意図を指摘した。

 大阪府警によると、大阪府警を退職したOB有志から支援の申し出があり、府警退職者のカンパを懸賞金に充てるという。近日中に運用を始める予定。

 警察庁の「捜査特別報奨金制度」など公的なものも検討されたが、これまで殺人など凶悪犯が対象で、今回、樋田容疑者が手配されている加重逃走容罪での前例が見当たらないなどの理由で見送られたようだ。さらに、小川氏は「警察の不手際で逃走されているだけに、この状況で警察庁の公的なお金(税金)を使うのはいかがなものか、という声もあったのではないか」と背景を説明した。

 小川氏は「大阪市内の企業による懸賞金300万円と合わせて計500万円。これで、樋田容疑者の側にいる人物、例えば支援している者や事情を知っている不良仲間等からの通報が期待できる」と効果を予想し、「警察はなりふり構わず、容疑者の身柄確保、逮捕に走るという状況だと思う」と、切羽詰まった大阪府警が置かれた現状を代弁した。

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