大阪府警富田林署から8月12日に脱走した樋田淳也容疑者(30)の足取りについての有力情報に300万円の高額懸賞金を大阪市内の企業がかけたことを受け、元神奈川県警刑事で犯罪ジャーナリストの小川泰平氏は10日、デイリースポーツの取材に対し、懸賞金目当てで同容疑者の周囲にいる仲間に“造反者”が出てくる可能性を指摘した。
大阪市内の建設会社が8月25日にSNSで懸賞金をかけたことを公表。樋田容疑者の顔写真が掲載された「手配書」には「有力情報者 懸賞金300万」と書かれ、社名や電話番号と代表者が記されていた。
小川氏は「未解決事件に懸賞金がかけられるケースがありますが、被害者の支援組織や防犯協会などによることが多く、一企業がかけるということはレアなケース」と説明。さらに、「懸賞金目当てで不良仲間が動いている可能性がある。樋田容疑者の内通者からも仲間割れが出てくることも考えられる」とし、民間レベルで“賞金首”となった同容疑者の周囲で動きが起きることを推測した。
民間からの情報提供は逮捕への早道となる要素もあるが、容疑者を逃した失態と初動捜査の遅れが批判されている大阪府警にとって、その前に何とか警察力による逮捕にこぎ着けたいところ。小川氏は「警察の不手際によって逃亡されたことを考えると、懸賞金目当ての通報による逮捕では面目丸つぶれとなる。警察の威信にかけても逮捕に躍起となっている」と指摘した。