「う〇ちいっぱい」!?…衝撃の看板文字、実は滋養たっぷり「薬膳お好み焼き屋」だった

山本 明 山本 明

 「今から召し上がっていただく「隠密焼きそば」(1300円)には『出す力』をうながす糸こんにゃくがたっぷり入っています。きっと、明日朝のお通じはどっさりですよ」

 あ、ありがとうございます…筆者の健康への配慮に感謝しつつ、焼きそばをいただきます。味がしっかりしみ込んだ糸こんにゃくが美味しい…!!ソースの優しい甘みがたまりません。

 「ソースは自家製です。調味料はいっさい使っていません。りんご、トマト、人参、玉ねぎ、ごぼう、プルーン等々を毎日擦りおろして1~2時間、煮込んで作っています。またこれに限らず、当店で使用する肉や野菜や油などの具材はすべて国産。塩も長崎県の五島列島で、ご夫婦が手づくりしたものを使用しています」

 小食の筆者ですが、つるつる喉をすべるそばと糸こんにゃくの勢いであっという間に完食しました。

「胃に入った食べ物は弱アルカリ性であることがベストなんです。これは胃腸と次の器官である十二指腸をつなぐ『幽門』が、アルカリ性の状態でないと食物を通さない性質を持っていることに関係しています。酸性の食べ物はすぐには消化できないので、胃もたれなどの症状が起きたりすることも。でも当店で出す食品はほとんど全て、口に入れる段階で弱アルカリ性。だから食べやすいんですよ」

 このあと、ひじきたっぷりの「がんぐろ焼き」(1120円)と、豚肉がかりっと焼き上げられた「豚玉シンプル焼き」(920円)をそれぞれ少しずついただきました。たっぷりのキャベツにふわふわの生地が、それぞれの具材の味と合わさって口内で溶けていきます。

 「当店では消化に悪いとされるグルテンを含む小麦粉ではなく、米粉を生地に使用しています。少しお酢を垂らすとふんわりするんですよ」

 ちなみに、常連さんたちは会計をすませた後「行ってきます~!」と高らかに手を振って店を出ていくそう。また、健康に留意する人がリピーターとして訪れるとのことで、医者などの医療関係者の来店も多い、というのもうなずけます。筆者も「うんちいっぱい出してね!」という励ましとともに、中村さんを始めとするスタッフの皆さんに「行ってらっしゃい~」と見送られ、ほっこり、あたたかい気持ちで店を後にしました。

 …え?それで翌朝はどうだったかって?それは“看板に偽りなし”な結果であった…とだけ最後に申し添えておきます。

◇薬膳料理創作お好み焼一隅 TEL:078・241・8511(月曜休)

※本文中に出てくる価格はすべて税抜

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